アイラブユー、あなたならどう訳す

"I love you."を「月が綺麗ですね」と夏目漱石が訳したという逸話は有名な話。

あなたなら、I love you.を何と訳すか。

アイラブユー は直訳すれば 私はあなたを愛している になるが、言葉の受け取り方は人それぞれだ。
言われた状況、誰から言われたのか、その人との関係など。そして、受け手がその時感じた気持ちなど、どう受け取るかは様々な可能性がある。

そして、言われた側だけではなく言った側、つまり「愛している」と言った側にも、どう受け取ってほしくて言ったのかということも大切になってくる。
家族愛、恋愛、尊敬、崇拝……。
愛と一括りにしても、形はたくさんあるだろう。

ここで、I like you.も出しておこうと思う。
直訳すると、私はあなたが好きです になる。
ライクは、日本ではよく「その気持ちはlikeなの？loveなの？」といった使い方をされる。
ライクは友情、ラブは恋愛といった分け方だ。

ここで問いたい。
ライクとラブの決定的な違いは何か。
あなたなりの答えをコメントに残してくれたらとても嬉しい。

私は、ここの違いを答えられない。
私の頭の中の単語帳にはどちらかしか無いのかと思ったこともある。
だが、友情と恋愛以外の愛を示す別の単語、概念があるのかもしれないと最近思うのだ。その概念とは、「恋愛よりも大きな愛抱いてることも多いけど、それをなかなか理解されず、相手はそれをライクかラブに当てはめて解釈せざるを得ない愛」だ。

例えば、自分の大好きな人に恋人ができたとする。
その時、私は大好きな人の恋人にとっっっっても嫉妬する。
なぜならば、私は大好きな人に対して大きな「愛している」という感情を抱えているからだ。
嫉妬内容としては、よくある「取られた！」「私の方が○○(その人)のことを知ってる！」「私だって○○(その人)の1番になりたい！」など、恋愛感情でよくあるものだ。

ここで恋愛と違うという理由が、親しい友人ならば誰にでも恋人が出来たら嫉妬するところだ。
なにも、友人に恋人がいることに僻んでいるしている訳では無い。むしろ、友人の相手に妬み嫉みを感じる。
「私の大切な人を！！この泥棒猫！！」と言ったところだ。

この考えで、私はポリアモリー(恋愛的に好きな人が複数人出来る人のこと。論点からずれるため、詳しくは調べて欲しい)なのかと思ったことがある。
だがしかし、私は嫉妬以外の恋愛らしい恋愛感情を「愛している」人々に向けて抱かない。

例を挙げるならば、
・会ったり話したりしても、ドキドキしない
・ふと考えることはあるが、胸が締め付けられる、苦しくなるなど辛くならない
・最優先にしたいと思わない
・恋人らしく、寄り添ったりイチャイチャしたりしたいと思わない(むしろ苦手)
・性的なことをしたいと思わない

などが挙げられる。
そう、一般的な人がこの説明を聞いて想像することを簡単に説明するならば、「全然(恋愛的に)大切にしてくれないくせに、嫉妬ばっかする面倒な人」だ。たしかにそうだ。
だが、それは一般的に、恋愛をする人から見たらそうでしょ！といった話だ。大切にしてくれないのは、恋愛的にみたら、でしょ！と言いたい。
私は恋愛よりも大きな愛がある、と言うくらい、私は私なりの愛や気持ちがあるので、それについて聞いて欲しい。

大好き=尊敬

私は、大好きな人達をとても尊敬している。
何故こんな凄い技術をもっているんだろう、すごい。とか、何故ここまで人のことを考えるのだろう、流石。とか。
優れた部分がある人に、「何故」と興味をもつ。
それはきっと、自らも吸収したいと思っているからだろう。
最初から尊敬していることもあれば、関係を続ける途中で発見することもある。
そして、尊敬しているところはひとつでは無い。
たくさんの尊敬できる場所、「好き」と思う場所が、私の大好きな人達にはあるのだ。

大好きな人のウィークポイントも人間らしさ。愛せる。

大好きな人達も、もちろん完璧人間では無い。苦手なこと、出来ないこと、ついやっちゃう良くないことも持ち合わせているだろう。
私は、大好きな人のウィークポイントを見つけた時に、犯罪など余程悪いことではない限り、頭ごなしに否定しない。理由があるだろうし、何しろあんなに尊敬できるのに苦手なことがあるのが愛おしい。
苦手を乗り越えられるように、または回避できるように、私も協力したいと感じる。

好きに順位は無い。

先程、「最優先にしたいと思わない」ということを書いたと思う。それは、特定の人を常に最優先にしたいと思わないということだ。
例えば、前から友人との約束をしていたが、恋人から会いたいと言われたので優先する、などをしたいと思わない。私は、先に約束をしていた人を優先したい。なぜならば、大好きな人達に順位がないからだ。
大好きな人達はみな1位。優先順位など付けられない。「人間」というジャンルではあるが、皆それぞれ違う。それぞれの良さがある。そこに優劣をつけることが出来ない。

愛の大きさ、ビッグサイズ。

大好きな人達、一人一人に向ける愛がとても大きいし密度が高い。
私はそもそも距離を詰めがちだ。
だから、大好きな人達に対して、一般的な友人関係よりは心の距離を詰めていると感じる。
とても尊敬しているし、ダメなところも愛してる。そして優先順位(同立)1位。そんな人に対して、大きな愛をぶつけるなという方が難しいことだろう。

私の最上級の気持ち「かわいい」「面白い」「大好き」

これが私のアイラブユーだなと思う言葉たちがこのみっつ。
なにこいつ、かわいい……。
この人、面白い(興味深い)。
わー、大好きだ！！！
これらを多く感じる人が大好きな人達だ。

ここまで話してきて、なんとなく私の愛の表し方が分かってきたと思う。
最後に、私のこの愛をライクかラブかに相手が当てはめて解釈せざるを得ない、ということについて話していこうと思う。
私のような、ライクでもラブでも言い表せない愛の表現や概念を持っている人は少ないのではないかと考える。
そのため、愛の受け手は「これって友情？恋愛？」とまずは考える。そこで、私が「実はこういう愛でして……」と伝える必要があるが、自分自身うまく説明できない時もあった。それに、説明したとしても伝わらないこともあるだろう。そういう時は、自由に解釈してもらうことにしていたが、そうするとやはり私の意図する考えとの齟齬が生まれる。
愛の形、伝え方は人それぞれだからこそ、解釈の違いが生まれると感じた瞬間だ。

私なりのアイラブユーについての見解はここまで。

アイラブユー。最早記号化されているとはいえ、言葉の奥深さを感じる。