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G・O・D・S・と・T・P・ぼん・と・ミラ・クル・1・と・ぴぴぴ・ぴっぴぴ

 文字数は気にせずに、でもTwitterぐらいの感覚で気負わずに書きたい、というわがままを通すため、前回から、一個の記事の中にまったく関係ない複数の話題を入れていくスタイルを試してみてます。これからは、つぶやき程度の内容も、さしたるオチのないものも、平気で書くことを心がけるんだ。読み物のこととか、音楽のこととか、あとなんか色々と、のびのび書いていきますので、あらためてよろしくお願いします。


 TwitterをXと呼ぶこと自体にはもうわりと順応できちゃってるんだけど、上のような表明の中でのX呼びはちょっと座りが悪いので、Twitterと書かせてもらいました。「Xぐらいの感覚で気負わずに」だと今はまだ意味が通らないし、語呂を悪くした森博嗣のようだ。スッと通じるようになるまで、もう少し時間がかかりそう(あるいはそんな日は来ないかもしれない)。


 こういうボンヤリしたことも、なんら悪びれることなく書きます。


 先日#1の感想を書いたジョナサン・ヒックマンの新作コミック〈G.O.D.S.〉
 刊行に先駆け、UNCANNY AVENGERS他各誌に1ページずつ掲載されていたボーナスストーリー、全10枚がMARVELの公式サイトにまとまっています。

 今後の布石になるのであろう、まだそれだけでは意味を汲みとりかねる描写も多いのですが、いくつかのページは#1を読む前に目を通しておくと、少し楽しさが増すかもしれません。ディミトリくんが気になる人はお目通しください。
 また、MARVEL UNLIMITEDでは、#1の長めのプレビューがWebtoon形式で掲載されています。


 で、上記のプレビューとは別に、どうも〈G.O.D.S.〉#1全80ページをまるっとWebtoon化したものもアンリミに載ってたらしくて(現在は取り下げられた模様)、英語圏のファンダムで物議をかもしていましたね。

 話題作のWebtoon版を早々とアンリミに載せていく試み、実はちょっと前から〈FALLEN FRIEND〉誌や〈HELLFIRE GALA〉誌 (2023) で行われていて。

 これら2作品も含む一連の『DEATH OF MS. MARVEL』は、まずAMAZING SPIDER-MAN誌での〝この中の誰かが死ぬ?〟という引きを事前リークに台無しにされて、以降、FALLEN FRIEND誌ではカマラ復活に繋がる重要な場面を紙面に載せずWebのみで公開したり、読者にその死を悼む時間も与えないままチャッチャとMs.MARVEL誌の刊行をアナウンスしたりと、個々の作品の評価以前に、編集部がリークに翻弄されて下手を打ち続けるさまがとにかく目についてしまうイベントでしたが、このWebtoon版公開にもそうしたことへの対策という側面はあるのかなと。

 このMARVELの〝バラされる前に見せちまえ〟精神。Twitter/X上だと、映画『ノーウェイホーム』騒動あたりから特に顕著になった傾向として『話題作リリース週の週末になると公式が率先して重要シーンやクリフハンガー部分をツイートで喧伝し始める』というものがありまして。
 個人的にはこれがすっごくイヤで。発売から3日か4日しか経ってないのに、なんか粋じゃないですよね。こんなことして販促になってるのか不思議ですらある。リークについては愉快犯みたいなのまでいて手に負えない現状もありますし、対策が必要なのはわかるんだけども、それにしても、なんかこうさ、MARVELよ。もうちょっと考えてくれ。たのみます。

 それに比べると、最新号をサブスク限定で公開するという試みにはそんなに抵抗ないんですけど(小売の方たちは嫌だろうなとは思う)、そことは別に、ページ型として制作されてるコミックをWebtoonで出されてもべつに嬉しくなくない?っていうのはあるかな……上にG.O.D.S.のプレビュー載せといてこう言うのもなんですが。
 マンガ表現としての可能性は重々承知・理解しつつも、Webtoon形式、いまだあんまり読み慣れないのです。タブレットで読んでるからかしらん。

大画面だとWebtoonが読みづらいので
iPad OSのステージマネージャー機能を駆使、
細ーく縮めたウィンドウでInfinity Comicsを読むの図。
これはこれで、なんのためのiPadかという気になる

 さてお話は変わって——
 藤子・F・不二雄『T・Pぼん』が再びアニメ化されると聞きました!

 すばらしい。こんなんジャンジャンやればいいとずっと言い続けていたのです。「F作品の新作アニメシリーズとしてはPaPaPaザムービー、あるいはモジャ公以来」というのは……ぼくなんかはやっぱり、「なんでだよ、もったいないだろ」って思っちゃうほうで、もっとFキャラクターたちをメディアでためしてみてほしいし、なんならユニバース展開だって歓迎したい。ヤドリに乗っ取られたマール星をそうと知らず訪れてしまう空夫・モジャラ・ドンモ一行、それを助けにくるパーマン・コァの大軍勢とか、そういうの観たいでしょ。

 なんて言いながら、じつはちょっと前に「おれはもう映像作品をろくに観通せない体質だから」と観念して映像系サブスクの大半を休眠させちゃったところで、NETFLIXを再開するかどうかはちょっと考えさせてほしい。

 T・Pぼん、新たにてんとう虫コミックス版が出るようなので、未読の方はぜひぜひ読みましょう。歴史の影で人助け! ひょんなことから時間改変の秘密にふれ、タイムパトロール隊員となった中学生・並平凡の活躍を描く中編SFシリーズ。すぐ読んでみたい人は藤子・F・不二雄大全集 全3巻で。

 大全集版は、全3部をきれいに3分割。部を追うごとに制服とタイムボートがモデルチェンジしていくのもおしゃれです。まず第1巻=第1部で、見習いTPぼん、指導員リームといっしょに時間冒険のロマンを堪能しましょう。試し読みをどうぞ。

 正隊員に昇格したぼんと新人TP ユミ子の新コンビで仕切り直した、第2部・第3部ももちろん必読です。歴史SFとしてのプロットはより分厚く、現代にもぐわんぐわんと共鳴、読み応えがさらに増しています。これらが大長編ドラえもん『のび太の恐竜』〜『竜の騎士』の連載の合間を縫うようにして発表されているという事実に震えますね。特に『宇宙小戦争』と『鉄人兵団』の間の「十字軍の少年騎士」!! 大長編ドラとぼん、両者を発表時系列順で交互に読んでいくのもおもしろそうです。


『ぼん』とあわせて、勝手にその姉妹作としてオススメしたい藤子・F・不二雄『ミラ・クル・1』

『ぼん』第1部と同じ時期、1979年にコロコロコミックに掲載されていた作品で、かつて講談社の幼年誌で描かれた『パジャママン』のフォーマットを少年向けにブラッシュアップしたヒーローマンガです。時間SFではないものの、バディものとして一種『ぼん』に通じるものもあり。
 79年末から大長編ドラえもんの執筆が始まり、『T・Pぼん』は先述の通りその合間を縫うかたちで86年までコミックトム誌に連載されるのですが、『ミラ・クル・1』のほうは『のび太の恐竜』直前に中断したままそれっきり。ただ、未来&くるみのコンビは、ぼん&ユミ子のペアに形を変えて第2部以降の『ぼん』に組み込まれたようなところもあるのかなと。


 いい機会なので、久永実木彦「ぴぴぴ・ぴっぴぴ」も併せて推させてください。法改正の果てに対象が爆増し、時間局の正規職員だけでは人命救助のための時間改変に対応しきれなくなった現在、救助対象者への〈声かけ〉は非正規雇用者の仕事になっており——という設定が苦い、タイムパトロールものの最新の傑作短篇。2023年のベストSF作品集のひとつ、『わたしたちの怪獣』(創元日本SF叢書)に収録されています。〝あの〟ザ・ビートルズの「Across The Universe」を口ずさみながらどうぞ。ハァー、ナッシンゴナチェンジマイワールド、ナッシンゴナチェンジマイワールド、とォ。

(しかしこの夏は読みたい本が集中しすぎたため、いまだ『異能機関』には行けてません)


 T・Pぼんといえば、リーム恋しさにユミ子を叩く向きがありますがそりゃお門違いも甚だしく……から始まる文章を荒ぶっては消し、荒ぶっては消し、を何度か繰り返して、結局最後にちょっとだけ書いちゃうけど、第2部以降に嘆くべきことがあるとしたら、それは1部との対比も相まってちょくちょく悪目立ちするようになるぼんの先輩風やお調子乗り、でもなくて、これらに都度茶々を入れてくれたはずのブヨヨンの不在だと思うんです。

こういうキャラ大事
茶化してくれるひとがいないので、
ただきつめのお叱りを受けるしかないぼん

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