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『ドイツのスポーツ都市』を読んで

ヨーロッパの都市は「スポーツが身近であること」の重要さと価値をよく理解している。

これは、この本の事例をだけでなく、レース出場のために僕自身いろいろな国や街を、点在した経験からも同様だと思っている。

僕の経験とこの本での事例の違いは、僕が関わるのは主として大会になるのでスポーツにおける外向きの活動。一方で、著書内で多く登場するのは著者の住むドイツエアランゲン市での事例なので内向きの活動。

スポーツの価値を伝え広めるためには、そもそも両輪で取り組むことが必須でありどちらが欠けても成り立たない。

自身の経験を振り返りながら、日頃の人々の生活(内向き・ケ)ではどのような取り組みがなされているかが想像できた。そしてその積み重ねで良いイベント(外向き・ハレ)が実現できる。

地域のスポーツへの理解と支援、目の肥えたギャラリー、成熟したサポーターそう言ったものは一朝一夕では育たないからだ。

こういう話をすると、だったら、ヨーロッパに行けばいいという人がたまにいる。

良いものは良いし、それらを見習って自分の住む場所でも独自解釈を加え育てるべきだと思っている。だから、いいものはどんどん紹介しマネすべきだ。

こんなことを書いていたら、自信が走った時の熱い声援や温かな町の人々との出会いを思い出して少し寂しくなってきた。こればかりは仕方ないのだけど、やはり熱狂の場が恋しい。そして、僕はその熱狂の場を地元でも作りたい。そのためにもこうして良い事例をどんどん学び、実現していきたい。

走り書き:良いなと思う点と日本で実現する際の課題

・スポーツクラブが身近な存在である

・フィールドの充実

日本ではこの2つは同じ課題を抱えている。活動拠点となる場所や施設が日本に比べ充実していること。なかなか予約できないグランドや体育館。それを前提にするとホームとなる場所が作れないので定期的な活動が難しい。ドイツでは幅広い年代の参加し、複数のスポーツを実施するスポーツクラブが多数ある(日本で言うと総合型スポーツクラブのようなものだろうか)とのことなのだが、拠点がなければ、そもそもこう言った活動を実現したくともかなりその道のりは険しい。

・まちづくりによるイベント実施の敷居の低さ

ヨーロッパの街では、教会の前に広がる広場、その周辺に立ち並ぶ市庁舎などの建物、それらを往来しやすくするための歩行者エリアの確保。こう言った街づくりをしている事例を多く見る。人が集まりやす動線を意識している。そのため、イベントの開催が行いやすい。

スロベニアの首都リュブリャナでは同様の広場にビーチバレーコートが設けられ、ワールドカップのような大きな試合が行われたり、開催の敷居が低いからスポーツが身近に感じられる。もしかしたら、順序は逆かもしれないが、スポーツへの人々の意識は低く生活に密接するしかけ(もしかしたら結果として)がある。

・体を動かしやすい環境がすぐそばにある。

近くにハイキングルートがあり、公園が充実しているなど、体を動かすための昨日が街に備わっている。日本の歩道は狭いし、公園も小さいものが多い。これらで大人が何かするのは難しいし、交通量は多い。かといって、ヨーロッパだってそういう場所は多数ある。川沿いや特定の場所などポイントを決めて整備するだけでも人々の健康意識は変えられるのではないかと思う。

・自転車に優しい

日本でも自転車通行帯が少しづつ出来ているが、実態は側溝の上に線を引いたような名ばかりのものが多く、安全に通行できるか?というと疑問に思うこともしばしば。交通ルールも曖昧だし。日本では歩道を広げるのが困難で、さらに自転車通行帯となると、ますます困難なのはもちろんわかる。であれば、特定の区間だけでも安全に走れるようなゾーンニング、交通ルールの徹底、時間帯の設定などなど考えられることは多数ある。

他にも色々と考えられる事例は多々あるので、興味を持った方は是非読んでみてほしい。

スポーツに関わることを仕事にしているひとりとして、
自分の住む街や地域が少しでも「スポーツが身近であること」
意義を感じてくれたらと思う。



今後の予定 *いずれもエントリー受付中!

12/1(火)~ Happy Holiday Run Online Challenge
12/6(日)トレイルシンポジウム2020

*逗子フェスティバルパークにて開催。遊びに来てください!
12/12(土)ジュニアトレイルランスクール@横須賀
12/20(日)ジュニアトレイルランスクール@逗子葉山
1/31(日)ジュニアトレイルラン横須賀田浦大会


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2017-04-28 18.07.02 のコピー


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