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フランスでのワールドカップの話その2

2013年からシリーズ参戦しているマウンテンランニングワールドカップ。

2013年第1戦はフランスで行われその時の話を書いたのはこちら。

2014,16も参戦を計画したが、怪我で叶わず。このレースへの参加は2015年と2回であった。で、今回は2015の話。

と言っても、滞在先となるThannの街については触れたので、前回のnoteで触れられなかった部分について今回は触れる。


レースの話。

レース前日は受付を行う。

当日もできるのだけど、前日に受付を済ませなるべく当日やる事を減らしたい。

それもあって、前日受付へ。ここで行うのは健康診断書の提出
「この人は健康ですよ、レースをするのに問題ありません」という医師の診断書が出場にあたり必要になる。フランス国内では決まった書式があるのかもしれないが僕は日本人なので上記趣旨の書いてあるペーパーをスポーツドクターにお願いした。

ランチを会場でとって再び宿へ戻って、レースの準備。

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当日は会場まで宿のオーナーが送ってくれた。帰りの時間は読めないのでその時に考えることに。

会場について荷物を置き、ウォームアップを兼ねたjogでコースを試走する。序盤は街中を抜け、山に向かう。スタートしてすぐ坂道となり、道幅もそれに合わせるかのように徐々に細く。そうだそうだ、こんなところを走ったよなと2年前の事を思い出す。

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写真はスタート直前。今も一線で活躍する選手もいる。そして、みんな少し若い。
6年前のことだ。

レースが始まり、集団は一気に決してテクニカルではない登り基調のルートだが、トップ争いは熾烈だ。2013のレースでもそうだったが、ポジション争いが激しいからか序盤でリタイヤする選手も散見する。僕は良くて2〜3番目の集団なのでそのやりとりには加われない。いつも通り、耐えて耐えて走り続ける。

後ろから力のある選手が時折、すごい勢いで抜き去ることがある。これはやむを得ないが、そういうケースを除けば、淡々と続けられるギリギリを維持することでチャンスはどこかでやってくる。無理をしている選手、体調がすぐれない選手、怪我をしている選手。それは誰にでも起こり得ることだ。だからいい時も悪い時も淡々とベストを尽くすことはとても重要だ。

この年、僕は渡航の2週間ほど前に右手を骨折していた。取り外し可能な装具を作ってもらい、それをつけて日々生活し、このレースの時はテーピングで固めて走った。

骨折したその日に「もうすぐワールドカップが始まるから、明日からも走りたいです。だから、今日から使える装具をお願いします!」って言ってめちゃめちゃドクターに怒られ、しかも骨折したのが喘息の薬をもらうために行った病院の待ち時間で山を走った時だったものだから、病院に行ったら骨を折って帰ってきたので、妻にガチキレされたのはいうまでもない。そして、装具ができたらできたで「アイアンマンみたいだ!」って喜んだら、怒りを通り越したのか呆れられたのは今となってはいい思い出(少なくとも僕は)。

誰しも色々なものを抱えているので自分だけ調子が悪いとか、周りが速そうとかあまり考えないほうがいいと思っている。もちろんその上で気になるのは良くわかるし、僕もそうだから。けれど、それは自分でコントロールできるものではないので、ともかく自分が今日のベストを尽くす。それを大切にすべきだと思っている。


Happyであること

前述のような考え方をするからだろうか?

いろんなレースを走っていると走り終えた時に「Happyか?」と聞かれれば「Happyだよ!」と答えられる。なぜならベストを尽くしたから。もちろん、いい順位は欲しい、できるならメダルを手にしたい。そういう願いはある。けれど、大前提として一所懸命走って、その走りをお互いに讃えあうのは当然だ。だから、「Happy」のやりとりと「Congratulations」という2つのフレーズはレース後に欠かせない。一緒にベストを尽くした大切な仲間だからだ。

この時もフィニッシュした僕を見つけて、オーガナイザーが飛んできてくれた。

2年前は78位。今回は22位。タイムも若干縮めたし、順位もジャンプアップだ。
ベストを尽くすだけでなく、結果も(僕なりではあるが)ついてきてHappyと言わずしてこれをなんと言おう。そんな時彼は我が事のように喜んでくれた。

僕もそういう人でありたいと思う。

僕が世界のレースを走るのは自身の挑戦であると同時にこうした出会いや経験を通じて教わることがあるからだ。21年は1レースでもいいから国際レースに復帰したい。

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おまけ:レースの話、余談

以下は、何の列でしょう?

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正解:安全ピン回収のための列。

この大会では安全ピンは基本持参。忘れた場合は会場で借りて、フィニッシュで返却。ゼッケンが回収のレースもあった。ところ変われば色んなルールがあるものだ。


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