融けるデザイン+つなぐデザイン vol.1

Xデザイン学校公開講座の講義が面白かったので、忘れないようにメモ。
「融けるデザイン」の視点から、渡邊恵太さん。「つなぐデザイン」の視点から、小島健嗣さんのお話を聞きました。まずは、渡邊恵太さんのお話しをまとめようと思います。※間違えてるよ、意味合いが違うよなどあれば教えていただけると幸いです....!

iPhoneがなぜこんなにも流行ったのか。

IPhoneがこんなにも流行っているのはなぜか。それは、「自己帰属感」が高いからではないか。「自己帰属感」とは何か。例えば、ハサミのような道具は、その道具を使っていることをあまり意識しない。これは、原因と結果が直接的だからである。ハサミを使った結果、紙が切れる。こういった道具は自己帰属感が高い。
石器時代に「道具」を発見した後、人間は産業革命、情報革命の流れを通してどんどん大きな力を手に入れて行くようになっていったが、その結果として原因と結果が間接的になってしまい、道具の分かりにくさが増してしまった。(ex.ボタンを押しても、何が起こるのかわからない)
しかし、iPhoneは自分が行った動作がほぼ直接的に結果となって帰ってくる。指で画面を動かすと、画面が動く。このわかりやすさが自己帰属感の高さとなっている。しかし、iPhoneは自分が行った動作がほぼ直接的に結果となって帰ってくる。指で画面を動かすと、画面が動く。このわかりやすさが自己帰属感の高さとなっている。

自己帰属感の設計

1.マウスカーソルでデコボコ感やねっとり感を感じることができる。
http://www.persistent.org/visualhaptics.html

2.人はどうやって「自分が動かしているカーソルである」と認識するのか?
偽物のカーソルがたくさん動いていても、自分の動かしているカーソルは認識をすることができる。(なお、カーソルの動きに5秒以上の遅延を発生させると、自分が動かしているものでも発見できないらしい。)
http://www.persistent.org/cursorcamouflage.html

動きの連動性には、「自己帰属感がもたらす設計」が大事である。
例えば、ゴジラの4DXの映画は没入感が低い。とある1シーンで、ゴジラにミサイルが当たった時に椅子が揺れる。その結果、見ている人に「ゴジラに当たった時に椅子が揺れる=私はゴジラなのか??」という感覚が生まれてしまう。(もちろんそんなことはない)4DXは椅子に帰属しているので、自己帰属感を持たせることが難しい。
反対に、ディズニーランドでは宇宙船に乗って旅をするコンテンツがある。そこでは椅子が揺れても、宇宙船が揺れているんだな、という体験にすることができる。自己帰属感を持たせるためには、何の体験かを明確にしておかねばならない。
自己帰属感をあえて低めているものもある。
例えば、死刑執行の時。ボタンが3つあり、そのうち2つはダミーだ。執行の精神的負担が大きいので3人で同時にボタンを押す。誰が押したかわからないような設計にしてある。

検索は本当に便利なのだろうか?

我々は何かを行うときに、検索を行うが、本当に検索が一番良いユーザーインターフェースなのだろうか?検索エンジンは欲しい情報は提供してくれるが、その次に人間はそれに合わせた「行動」をしないといけない
キッチンでレシピを見ながら料理を作っている時など、情報がすぐ近くまできているのに、人間が行動を実施している。スマホを使う場所ではIoTが入ることができると考えた。
そこで生まれたのが「測らなくて済むスプーン」。iPadなどと連動して自動でメモリを設定してくれるので、人間が秤を見なくても良い。
http://www.persistent.org/smoon.html

画面を見て人間が行動を起こすことは、今までの本と同じ。まだまだ改善の余地がある分野だ。

「人がコンテンツにあわせる」から、「コンテンツが人間に合わせる」へ

レンジでものを温めている。レンジの窓にはタブレットらしきものが設置されていて、温め始めるとyoutubeの動画が自動で流れてくる。動画が終わると同時に、温め終わるレンジを作った。
色々なコンテンツがある中で、映画を見ることができない。人の時間はぶつ切りにされており、2時間もの長時間を確保することが難しいのだ。
そこで、隙間時間に見れるものをコンテンツとして選べばよいではないかという発想をしてみた。時間ぴったりなら、ハリウッド映画よりB級コンテンツのほうが勝つ可能性がある。魅力的なコンテンツよりも、使える時間の議論になって来ている。

ゲームなどのコンテンツは出来るだけユーザーの時間を奪おうとするけれども、ユーザーはその時間をそもそも確保できなくなってきているので、長時間縛り付けるコンテンツが受け入れられなくなっている。(60時間の大作ゲームに対して、やる時間がないと言う書き込みなど)
時間がどんどん貴重になり、何のコンテンツを見るかと言う意思決定のコストがかかるようになってきている。おそらくNetflixもその問題で困っており、金曜日に「Netflixをみませんか?」と誘うメールを送ってきはじめているそうだ。

中国の家電事情

中国の家電には、ボタンの代わりにQR Codeがついている。(QRコードがバンッと家電にくっついているのもすごく中国らしさがある)このQRコードをスマホで読み取って操作をするそうだ。
これにはすごくメリットがあって、見た目が綺麗な上に、多言語対応も機能のアップデートも簡単。
例えば、中国には扇風機できゅうりを冷やすユーザーがいるそうだ。それを見たメーカーが家電にきゅうり冷やすボタンなどつけようものなら一生の恥だが、アプリでこっそりつけてみる分くらいには簡単に検証することができるし、すぐ消すことができる。WEBだとABテストをやってたりするが、家電でもそういうことが簡単にできるようになる。
また、複数の機能をつけることも可能になる。スピーカーは音源にもなるし、目覚まし時計にだって使える。そのうち、自販機でお金を下ろすとかもできるようになるかもしれない。
ハードウェアもどんどんソフト化、メタ化していく。

感想

非常に面白い講義でした!!人間中心のデザインというものを体験出来たような気がします。
特にそれを感じた部分は人間のコンテンツにつかう時間について。私amazon primeに入っているのですが、ドラマなども1時間だと長すぎて見るのを諦めてしまい、30分くらいで見れるコンテンツを選びがちです。
最近 TikTokが流行っているが、1つ1つのコンテンツが短いからどの隙間時間にも対応できるから、というのも今の時代にあっており強い部分なのだなと思いました。

#UI #UX #デザイン #IoT #勉強 #Xデザインスクール

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