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道を、歩く


山に手を入れる。木を整理し、道を作り、必要に応じて階段を整える。


数年前これらのことに向きあっていた頃には、毎日、山に登っていました。

麓までは車。その場所に車を止め、チェーソー・鉈・ロープなどの

様々な道具を背負子に入れて、自分の足で山に登り作業をしていました。


登ったり降りたり作業の内容に応じてそれを繰り返す。

朝から日が落ちるまで、晴れても曇っても少々の雨でも。


その作業の終盤の頃、丁度、今頃でした。晩秋の時期から年の瀬ギリギリ

までの作業の期限に間に合うようにと、ただひたすらに歩いては作業。

また歩いては作業。あのときに、もしも万歩計をつけていたなら

正確な歩数がわかったのでしょう。でもあのときには目の前の作業に

向かうことばかりに気持ちが向いていましたので、あいにく歩数の記録は

ありません。膨大な歩数だったことは間違いないでしょう。


その作業を無事に終えてからも、春の風物詩を追いかけて

毎年のある時期には、決まって山へ入っていました。記録写真を撮る為。


けれど木工小屋周辺にての作業が多くなり、更には時間の不足も

あり、いつしか山から遠ざかり、"歩く"機会は著しく減っていました。


日々の木工小屋への通いは、いつも車。

このたび、それを少し止めてみることに。


ちいさなカバンひとつを斜めがけに、いざ坂を登る。


さして距離がある訳ではないのに、ふと振り返って見た景色の

その様変わりの様子に、思わず、目を奪われました。


自ら整備をした山は、あれからどうなっているのだろう?

美しく真っ赤に染まっていた、あのもみじは?

そうだまゆみの木の実も、今頃は赤く木々を彩っていたな。


忙しい日々の中、ふとわずかな時間を歩いただけで、山への思いが

湧いてきました。


歩く

今日は、その第1歩の小さな心の動きを、ここに記してみました。


もみじ