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まちがいの、無いもの


果物全般が好きで、折々の実りを楽しみにしています。

出店へ赴いた場所で初めて出会い味を知り、そのものの登場する日を待つ

そんな季節の味の新しい楽しみ方を知りました。


先日の出店の帰り道、気に入っている銘柄の果物を見つけ

喜び勇んで買い求めてきました。

帰宅後、さてと味わってみると、これが・・・まさか・・・という代物。

最初に出会った時のあの味は何処へやら、まるで別もの。

残念です。悲しいです。もう、この銘柄のものは諦めました。


数日後のこと。

"ああ・・・"という残念な気持ちを抱えていたら、到来もの有り。

知らない銘柄、勧められるままに恐る恐る口にしてみたところ

これが素晴らしい食感と味わい!!  モノの一瞬でトリコになりました!!



マグカップやコップを作る中、強い個性のぶどうの木を使ったものは、

自由奔放、縦横無尽に曲がっています。

それを面白いと思い、同様に面白がって下さる方に支えられて

作り続けています。 曲がっていることは、丸。

でもマグカップやコップの場合、絶対にあってはならないのは

水が漏れてしまうこと、これは間違いなく、欠陥品です!


絶対にこのような事が無いように、徹底的な品質管理の元に作品を作り

最後の最後まで、きちんとした間違いの無いものを提供しようという

努力だけは疎かにしないと、そう決めて取り組んでいます。

それでも尚且つ、自然素材を扱うものの常として

"万が一にも人智の及ばぬ問題が生じていた場合は、必ず善処をさせて

頂きます"という書面をつけて販売をするようになったのは

クラフト品を扱う人たちとの交流の中で学んだこと。


縁あって求めた本来はあり得るはずのない食感と味わいの季節の果物。

身銭を切って求めたものが、そんな欠陥品であったなら。


我も、人也。

間違うこともあるかもしれないと、その恐れと覚悟を固く、また新たに

我が身へ刻み、手元を旅立つ作品は、決して間違いの無いものにしようと

到来品の実に旨い果物を食しつつ、考えた次第であります。

銀杏のカッティングボード2


さて、おまけの話になりますが、このたび新たに縁のあった果物が

これまた、どれもこれも自然のままの歪み等々があって

実に味わい深い好ましい形をしているのです。

味はもとより、この風情もまた堪らないものがあります、好きですね、

こういうの。


ちなみに巻頭の写真は、手塩に掛けて仕立てた

刃あたり良しと言われている銀杏の木のカッティングボードです。



"マグカップのみ"の初めての披露目と販売が始まっています。

お知らせまでに↓
















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