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お兄ちゃんの優しさ

従兄弟のお兄ちゃんからもらった優しさ。
小学校一年生の時連れてってもらったカウンターだけのラーメン屋さん。すごく人気のお店。二人で並んで食べる。入り口には待ってる人も。

お兄ちゃんは食べ終わった後、まだたくさん残ってる僕のラーメンを見て言う。
「ゆっくり食べていいからな」
すごく優しい言葉。

それ以来僕は大人になってからこの言葉を大切にしている。彼女と行く時も。
ある日のカウンターだけのラーメン屋さん。同じ店だ。あの言葉を言いたいが為に早く食べる。
急げ
急げ
急げ
食べ終わった。僕は言う。
「ゆっくり食べていいからな」
よし決まった!
10分後。まだ食べている。女性は食べるのが遅い。そんな姿を見て微笑む僕。
すると混雑している店内で店長らしき人が言う。
「すみません混雑しているので先に出てもらってもよろしいですか?」
一人で外に出る。カウンター席で一人チラチラこっちを見ながら寂しそうに食べている彼女。少し怒っている。
やってしまった。

僕にはお兄ちゃんの優しさまだ使いこなせないや

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