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オンラインレッスンの今後のあり方(2)

前回の投稿では、オンラインレッスンの今後のあり方について考えました。今後取り込むべき要素として、1.レッスンの高頻度・短時間化、2.オンラインレッスン化に向き不向きの見極め、を挙げました。今回も、その続きです。

3.学習効果の可視化と的確なフォロー
オンライン化はデジタル化を意味します。つまりは、受講者の学習履歴、レッスンに対して感じている効果・満足度、抱えている問題、レッスン前後の変化などが、データ管理しやすくなったということです。受講者側としては、自分が費用を払って(投資をして)レッスンに参加したことで当該テーマに関するどんなポジティブな変化(リターン)があったのか、具体的に把握したいというニーズが高まります。提供者側は、当該レッスンにおいての効果測定、課題形成、課題達成支援に応える必要がますます求められてくるでしょう。

そして、レッスンとレッスンのあいだの間隔(インターバル)に、受講者に対して講師がフォローを行うことが、オンライン化によってしやすくなってきました。受講者各人をデータマネジメントしながら、「次回レッスンまでにこれを課題として取り組んでみましょう」「インターバル中に5分だけのオンライン中間面談をしましょう」などのイメージで、インターバルで各受講者に応じた個別フォローが講師からなされれば理想的です。この観点からは、これからのレッスンは、受講者による提供者に対する内容の選別も進み、「量」に加えて「質」の充足度がますます重視されるようになることも想定されます。

4.論理的・合理的に説明するスキルとコンテンツ
従来型のオフラインレッスンであれば、講師や担当事務局は「当該分野について教える人」「ファシリテーター」でした。しかし、今後の講師には、それらに加えてデジタル対応への適応力も求められます。オンライン化に合わせて求められるスキルが変わっていることに適応していく必要があるわけです。講師のデジタルスキルなしには、上記のデータマネジメントは成立しません。

また、オフラインで通用していた「現場での空気感・迫力・ノリ」といった要素は、オンラインでは通用しません。私見ですがこれまでの経験から、(実質的な学習効果の観点は除いて)満足度に限って言うと、企業研修での最大の影響因子は講師によって触発された「空気感・迫力・ノリ」の要素だとみています。例えば、オフラインの若手社員向け研修では、声の大きい講師が高く評価されることがありますが、オンラインではそのようなことはありません。従来のオフラインレッスンなら、「あの研修の場で感じたことを実務で発揮することを期待する」で通用していたものが、オンラインでは当然そのような空気感は再現できず、通用しません。

実地・対面でのパフォーマンスで受講者の視覚に訴えて物事を伝えるかわりに、受講者が頭で理解できるように分かりやすく、かつシャープに、言葉を使って論理的・合理的に伝えることが、オフライン以上に求められるわけです。提供者側としては、この変化に対応するためのスキル開発、そしてそれに基づくコンテンツ開発が必要とされることでしょう。

以上の観点も踏まえて、オンラインレッスンを提供する事業者、そしてレッスンで受講者に相対する講師は、オフラインとオンラインの融合も含め、今後のレッスンのあり方を模索していくことが期待されます。ここには、従来のレッスン事業を飛躍的に拡大させる機会が潜んでいます。また、従来レッスン事業とは無縁だった事業者においても、大きな機会があると言えるでしょう。

例えば、自社が伝えられるノウハウを定義し、オンラインで発信する何かとしてまとめて定期的に配信することができれば、サブスクリプションとして固定の収入源をつくり出すことも可能になってきます。経営や事業企画に関わる人材の方は、自社事業のオンラインレッスンの可能性について改めて考えてみるとよいと思います。

<まとめ>
オンラインレッスンで講師に求められるノウハウは、受講者への個別対応を含め、オフラインとは異なるものになる。 


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