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「忙しい」の代替語を探す

先日、週に1回早朝に仲間と共に約1時間で行う、一週間の振り返り会に参加しました。いろいろな企業の経営者や経営幹部の方が集まり、仕事や仕事外、個人的なことも含めて一週間の活動内容を各人が振り返り、相互にフォードバックを与えあうものです。

振り返り会では、「忙しい」という言葉が話題になりました。

私自身、普段仕事でかかわることのある企業や社員の方から、「忙しい」「時間がない」はよく聞く機会があります。そのような場合には、「忙しい」「時間がない」はNGワードではないかという話をします。「時間がない」と言った途端に思考停止しやすいからです。私自身も思わず使ってしまい、気をつけねばと振り返る場面があります。

特に経営者であればなおさらです。
先日も、ある企業の役員の方にお会いした際、「前期の計画で手がつかなったものもあるが、忙しくて・・」というお話があったため、「「忙しい」は、NGワードとして使わないほうがいいのではないか」とお答えした次第です。

「もっと時間があれば、さらにいろいろなことができるのに」という思いは、誰しもがもっているものです。1日24時間は万人に対して共通です。その有限な所与の時間を、優先順位をつけて何にどう使っていくか、判断して実践するのがマネジメント機能のひとつだとも言えます。

「時間が十分にないから、こうしよう」であれば建設的ですが、「忙しい・時間がないからできない・仕方ない」で終わってしまうと、組織のマネジメント、あるいはセルフマネジメントを放棄することにつながるかもしれません

「忙しい」という字が「心をなくす」と書くというのは、時々聞く話です。

時間が切迫しているという状況はもちろんあるわけですが、それを「忙しい」と言うことで心をなくして時間への向き合い方が他律的になり、「自分以外の何かや誰かに自分が使われている」というセルフイメージを強めてしまいかねません。

同振り返り会でご一緒した経営者・経営幹部の方から、やはり「忙しいと言い訳するとそこで終わってしまう。この言葉は使わないようにしたい」という話が出た次第です。

さらに、ある参加者様から「言いたいことは、我慢して飲み込むだけではなく、吐き出すのも大切だと思う。「忙しい」と言いたいときに、それに代わるポジティブワードはないだろうか?」という問いがなされました。私は、別の言葉に置き換えるという発想がなく、自分自身に対してこのような問いかけをしたことがなかったので、とてもよいお題だと感じました。

別の参加者様から、「私の知っている、ある経営者は、かなり忙しい立場のはずだが「「忙しい」の代わりに「暇だ」と言うことにしている」と聞いた。「忙しい」と言っていると、話しかけられにくくなってよい情報が入ってこなくなる。どんなに忙しくても「暇だ」と言っておくと、よい情報や依頼が入ってくるという考え方らしい」というご提示がありました。

本質的ではあるものの、「暇だと言うと、信用されなくなるかも」という声もあがり、賛否両論でした。

他にもいくつか意見が出たのですが、比較的賛同の多かったものを2つ紹介すると、「充実している」と「人気がある」です。個人的には、よりしっくりきたのは後者のほうです。

時間が足りないぐらい、やりたいことが多くて充実している。手が回りきらなくて困るぐらい、自分が多くのことに必要とされている。「忙しい」と言いそうになったら、別の言葉に置き換えることで、より前向きに物事に臨める気がします。

・私は今忙しい → 私は今充実している
・私は今忙しい → 私は今人気がある

些細な工夫ですが、自分にとってしっくりくる言い換えワードを探すことができれば、自分の状態を整える一助になるかもしれないと思います。

<まとめ>
私は今忙しい → 私は今人気がある

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