日常の異変に気付く

先日、ある経営者様と朝の打ち合わせを予定していたのですが、少し遅れるという連絡が入りました。10分ほど遅れてこられてから話を聞くと、駅でトラブルがあったそうです。
そのトラブルとは、下記のような概要です。

駅を出たところでスズメの鳴き声を聞いた。いつもの鳴き声と違う感じがしたので、よく見てみると、スズメが木の枝と枝の間に挟まっていて動けなくなっていた(駅の周りに自然もある環境で、朝によくスズメが鳴いているらしい)。

自力で脱出できそうになく、弱っている感じなので、駅員に声をかけた。すると、駅員や近くにいた消防員、スズメが気になった通りすがりの人も出動してちょっとした騒ぎとなった後、スズメは無事救出された。これに立ち会っていたため、少し遅くなった。

スズメが鳴いていても、気が付かないで通り過ぎる人が大半だった。

このお話を聞いて、感じたことは大きく2つです。

・なんともすがすがしいお話である。経済合理性の視点だけを追求すれば、だいの大人が何人も総出で10分以上もかけて1匹のスズメを救出するのは、割に合わないのかもしれない。しかし、そういう視点だけで割り切れるものではないところに、人の営みがあるのではないか。

・同経営者様が「いつもの鳴き声」と言っているということは、朝よく鳴いているということ。つまりは、駅を利用して通勤している他の人も鳴き声を聞く機会があるはず。しかし、同経営者様のようには気づいていない人もいる。可能性としては2つで、普段スズメの声を気にしていないから本当に異変に気づけていないか、あるいは異変に気づいているが面倒だからそのまま素通りしているか、であろう。

同経営者様は、卓越した経営観と取り組みで会社を発展させ続けている方です。普段から様々なものを見る観察力、異変を知る気づき力がやはり違うなと感じました。また、異変に気付いた時の行動力もそうです。今回も、一番手としてアクションを起こしています。

経営で成果を上げる人は、社内にいる時や営業時間内だけではなく、生活でのあらゆる時間帯のたたずまいがやはり別格である、そんなことを感じました。そして、日常の物事が上記のような精度で見える観察力・気づき力によって、会社の中で起こっていることもその精度で見えているということでしょう。様々なことに関心を持つ訓練は大切なのだと、このちょっとした出来事から改めて感じた次第です。

<まとめ>
同じものを見ても、観察力・気づき力がないと見えない。

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