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野良猫のルーティーンと共に
7月5日
朝一でベランダへ野良猫がやってきた。私の方をじっと見つめている。ご飯がほしいのか、ただ気になっているだけなのか。人間である私は、その表情から読み取ることができない。しばらくすると去っていき、そしてまた戻ってきた。今度は置いてある水を飲み、そのままそこへだらんと座る。さっきのは偵察かなにかだったのだろうか。ウトウトとまぶたを重そうにしている。そんな猫を横目に、私はいつものように文章を書く。
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もっとこまめに書きたくて、テーマを思いついた時ではなく、その日あったことをさくっと書いてみている。なんの変哲もない日常なんて書くことがなさそうに見えても、自分がそういう風に日常を見ようとしているだけで、実はたくさんの新しい出来事が起きているのだ。人は自分の都合のいいように世界を見ていて、どの角度から、どのスピードで、どの色合いで見るのかを選ぶことができる。誰一人として同じ世界を見ていないのはつまり、そういうことなのだろう。私の目には伊東の風景を絵にしてみたくなるほど、美しく映っているように。
依頼の絵の仕上げと、新曲のミックスをする。連日引きこもれているのは久しぶりで、躁鬱も今は寛解状態だ。このフラットな時が1番創作がはかどる。1年半前までは躁か鬱になっている方が創作できると思っていたけれど、心も体も疲弊し、継続させることはできない。では、あのキラキラとした世界や、混沌とした世界でしか得られなかった感性は失われるのかというとそうでもない。そこで使っていたエネルギーはそのままに、躁や鬱なんかにならなくても得られるものが増える。元々のエネルギー量が大きい躁鬱人は、省エネしてもエネルギー量は並くらいになるため、それを継続できたら最強なのではないかと思う。実際に私は、省エネし始めてからの方が作品量は増えている。
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7月6日
今日も朝一で野良猫がやってきた。昨日と同じ猫だ。しかも時間帯も同じ。私のように朝のルーティーンがあるらしい。そのまま爆睡タイムに入ったため、私は起こさないように忍足で観葉植物の水やりをする。その豪快な寝相っぷりに、もはやどちらが家主か分からない。
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買い物がてら、フォカッチャ屋さんの「IL GOLFO」でお昼ごはん。もう何回かリピートしている。今日はいつもより店主と話す時間があった。とても気さくで、色んな話をしてくれる。隣にあるイタリア料理店もやっていて、このお店との2店舗経営。パンは焼けなくて、フォカッチャしか焼けないからフォカッチャ屋さんになったらしい。なんでもやるのではなく、自分にできることだけをしているのが素敵だなあと思った。
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5月に伊豆高原へライブを見に来てくれた方がブルーベリーをくれるとのことで、新井の湯の前まで取りに行く。畑で育てているらしく、とても甘かった。私も畑をやりたいと思っているのだけど、今は絵に音楽に文章で手いっぱい。ブルーベリー好きなんですよねと伝えると、今度、畑へ採りにおいでと。また一つ、この街での繋がりが増えた。
帰り道、登った坂道を振り返ると、沈みかけている太陽がこちらを照らしている。燦々と太陽の光が降り注ぐ新井も、雨粒がしたたる新井も、夕暮れに哀愁漂う新井も好きだ。いつどんな時でも、移り変わる日々の美しさを教えてくれる。
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