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生活すること

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生きるって何だろう?それは生活することなのではないだろうか────30才で伊東市にある海の街へ移住して感じたことを書いています。
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2024年4月の記事一覧

私のポンコツバッテリーの使い方

私のポンコツバッテリーの使い方

まるで水の底にいるかのような重たい身体を、地べたに横たえる。胸が締めつけられているせいで上手く呼吸ができず、脳に充分な酸素が行き渡らない。1秒先のことを考えるだけで精一杯。冷蔵庫の中にあった納豆や豆腐やレタスなどの調理しなくてもいいものを機械的に食べ、また地べたに横たわった。この傾いた世界を見るたびに私は、自分が躁鬱だったことを思い出す。

風景画展の準備のために大量のエネルギーを使い、バッテリー

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視点が変わった世界で見えるもの

視点が変わった世界で見えるもの

水がゴーゴーと音をたてて流れているのが聞こえる。さっきまで降っていた山の水が、川を伝い海の方へ降っていく音だ。昔は川だった上に道路を作ったらしく、私は川が通っている山を少し切り拓いた場所に暮らしている。山と海と川の3点セット。移住を決めた時はそこまで自然に囲まれて暮らしたいわけではなかったのだけど、この地へ来た瞬間にここで暮らしたいと直感で感じたということは、私は無意識に自然を欲していたのだろう。

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ゴールのない芸術作品を目指して

ゴールのない芸術作品を目指して

藤森愛として活動14年目を迎えた(昨年は間違えて12年目と言ってたみたい)。今でもこうして藤森愛という看板を出して活動できているのは、たくさんの支えがあるからなのだと年月を重ねるごとに強く、深く感じる。

芸術ごとを続けていくのは難しい。なんでもそうだろうけれど、特に芸術は生きていくために必要なものとしての優先順位は圧倒的に低い。生きていくためには絶対に必要だ!という人もいるかもしれないけれど、芸

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