小説:ブーゲンビリアが咲いていた夏
【2000字ジャスト】
目を覚ましたのがとても早い時間だということは、室内を染めている光の青さでわかった。
ただでさえ場所が変わるとうまく眠れない僕が、公民館なんかで眠れるはずがないのだ。
それは町内のお泊り会の朝だった。
まわりの大人達も、もちろん子供達も、まだぐっすりと眠っていた。
僕が目を覚ました理由はもう一つあった。
誰かがトイレを流す音がしたからだ。
僕はなんだか気まずかったので、まだ眠っているふりをした。
その音の主が再び布団に入るのを待ったが、しばらくしてもその様子はなかった。
薄目