かきふ

感想を綴ってます。

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最近の記事

【虎に翼・第6週感想】女たちの一念、巨岩へと向かう?

ここに遂に日本で初めてとなる女性弁護士が誕生したのです。ーーーーー というナレーションで結ばれてもおかしくない終わり方だった。しかし、山は動かず、岩には少しばかりの跡が付いたぐらいだ。 寅子は自分が如何に恵まれているか、そして自分の意思だけではどうしようも無いことがあることを感じたことだろう。 衣食住に不安を覚えることのない中流家庭で育ち、声を上げれば自分の好きな道を選ぶことができ、自分が動くことで大切な人を守ることも出来た。世間に違和感を感じても、信義則は共通で万事は必

    • 【虎に翼・第5週感想】寅子たちの腕まくりは干天の慈雨?

      汚職事件の渦中にある直言。自白を強要されながらもそれを覆すことを拒む父の無罪を明らかにするために寅子は奔走する。 法は弱いものを守るためにあると考えていた寅子。自分の身の周りが当事者として法の天秤に架けられた今回の一件はやはり寅子の考え方に変化をもたらすことになる。 法は守護者そのものでは無い、その天秤は良くも悪くも誰に対しても平等なものだった。知恵ある者が使えば正しく導くことも、企みに嵌めることも出来るものだった。 だからこそ、寅子は、法それ自体を護りたいと信念を持つ

      • 【虎に翼・第3週感想】彼女達の居場所はいずこに?

        よねの生い立ちは想像だにしないものだった。 彼女の立ち振る舞いは決して癇癪からくるものでは無い、今までの人生で得た教訓と後悔から生まれた決意をもった態度だ。 だからこそ、よねは法を武器だと捉える。力の無い者が、立場だけを持った無能な者に一矢報いることが出来る公明正大な武器。 知的好奇心から法律を学び始めた寅子とは違う。寅子は法は人を守るためにあると考える。窮地に立たされた人を平等に守り抜く。そもそも人は誰しも強いのだ。そこに法というもので守ることが出来る。虎に翼だ。 恐ら

        • 【虎に翼・第4週感想】立つ寅子に助ける男?

          本科に進んだ寅子たち、そこで彼女たちを待っていたのは当時の世間の男性たちとは違い、開明的な考えを持つ同世代の若者たちで……。ということもなく、彼らもまた当時の男が女に対して求めているものを同じように持ち合わせている者たちなのでした。 むしろ、法律分野の1つとして旧民法を学んでいるからこそ、より男とは、女とは、と社会が求めているものを映し出す存在かもしれません。明律大学の面々は好きな子にちょっかいを掛けるようなニュアンスで描写されているが、現実としては梅子の夫や長男のような接

        【虎に翼・第6週感想】女たちの一念、巨岩へと向かう?

          【虎に翼・第1週感想】演習賢しくてブギウギのロスを損なう?

          みなさんは新年度の始まりをどこから感じるだろうか、普段と同じ通勤時間に慣れないスーツを着た新社会人を見かけたとき?桜が咲き始めたら?もしかしたら友人から送られてきたエイプリルフールのメッセージから今日が年度の1日目だと気づく人もいるかもしれない。 私が新年度の始まりを感じるのは新しい朝ドラが始まった時だ。 ブギの女王・笠置シズ子をモデルとした『ブギウギ』が終わり、この4月からは伊藤沙莉さんが主演を務める『虎に翼』が始まった。日本の法曹界に女性の道を切り拓いていった三淵嘉子

          【虎に翼・第1週感想】演習賢しくてブギウギのロスを損なう?