【虎に翼・第6週感想】女たちの一念、巨岩へと向かう?

ここに遂に日本で初めてとなる女性弁護士が誕生したのです。ーーーーー

というナレーションで結ばれてもおかしくない終わり方だった。しかし、山は動かず、岩には少しばかりの跡が付いたぐらいだ。

寅子は自分が如何に恵まれているか、そして自分の意思だけではどうしようも無いことがあることを感じたことだろう。
衣食住に不安を覚えることのない中流家庭で育ち、声を上げれば自分の好きな道を選ぶことができ、自分が動くことで大切な人を守ることも出来た。世間に違和感を感じても、信義則は共通で万事は必ず正しい道に沿って流れているものだと思えていたかもしれない。

生まれで夢を諦めなければならなかった人がいる。身分のために我が身を捧げなければならなかった人がいる。法があるために引き返せない選択しか出来なかった人がいる。性別のために今の社会では自分らしく生きることが難しい人がいる。

生い立ちや信念や格好で切り捨てられてしまう。それが今の世の中なのだ。

そんな社会をやめにしたい。行く道の分かれた仲間たちの思いを汲んで寅子はいよいよ法服を纏い、法の世界へと踏み出していく。

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