2022年9月の記事一覧
カルト性と生きていく
先日、宇野常寛さんが新たに始めたオンラインゼミにお呼びいただいて、久しぶりに対談をした。今、宇野さんが最も話したいというテーマは「政治と宗教/社会とカルト」。僕もまさに、言語化したいと思っていたテーマだった。
▼【ハイライト動画】宇野常寛ゼミ 緊急特別対談「政治と宗教/社会とカルト」松本紹圭×宇野常寛
宇野さんは、オウム真理教がかつて高校生だった僕らに残した問いを発端に、政治思想とは異なるアプ
お寺は「修養」の道場
友人の大澤絢子さんの新著『「修養」の日本近代〜自分磨きの150年をたどる〜』(NHK出版)は、ぜひ多くの人に読んでほしい力作だ。
サミュエル・スマイルズ『Self-help』以降、近代に至るまで、日本社会においてどのように「修養」の考え方と実践が展開してきたのか、系譜を辿るのにとても役立つ。特に、僧侶の立場から読めば、大澤さんのいう「宗教(っぽいもの)」と「修養」の関係性が、興味深い。現代では「
「僧堂」をつくりたい
昨年から取り組んでいる産業僧事業(Interbeing LLC.)では、僧侶が企業や働く人々と対話を通して関わるなかから、どのような自他の抜苦与楽が現れるかを、データサイエンスの視点を交えて探ってきた。
そこに、いわゆる「宗教」として何らかの枠に「取り込もう」とする要素はない。「spiritual but not religious 」(霊性やスピリチュアリティへの敬意・関心はあるが、特定の宗教