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発芽そば発酵エキスの安全性 アレルギー・急性毒性・遺伝毒性試験の結果

近年、健康の維持・増進に役立つとされる機能性食品が増えています。研究・開発では作用機序を含めた機能性──いわゆる効能効果を明らかにするのはもちろんですが、安全性の検証も欠かせません。発芽そば発酵エキスについては、ソバアレルギー、急性毒性、遺伝毒性に関する試験を実施。いずれの試験でも安全性が確認されています。

発酵によってアレルゲンが減少

常務の前島です。これまで4回に分けて、発芽そば発酵エキスを研究対象とした私のドクター論文をご紹介してきました。地域資源を機能性食品素材として利用するさい、極めて重要となるのが安全性です。現在、数々の機能性食品が研究・開発されていますが、厳密な安全性試験が行われている素材は多いとはいえません。ドクター論文では、発芽そば発酵エキスの安全性の検証を行いました。

発芽そば発酵エキスのACE阻害活性 鍵は発酵で増えるヒドロキシニコチアナミン
発酵による機能性成分の変化 そばの新芽の青汁と発芽そば発酵エキスの比較
発酵による健康効果の変化 そばの新芽の青汁と発芽そば発酵エキスの抗酸化活性
乳酸菌発酵で抗アレルギー作用が20倍 べにふうき茶と同等の活性を持つ発芽そば発酵エキス

発芽そば発酵エキスの原料はソバです。安全性試験では、食品5大アレルゲンの一つである「ソバアレルギー」の検証を行いました。食品表示法では、アレルギー物質を含む食品に関する表示が義務づけられており、ソバをはじめ、卵、乳、小麦、落花生の5品目は特定原材料として指定されています。

「モリナガFASPEK特定原材料測定キット」と「FASTKITエライザVer.II」を 用いて検証を行なったところ、規定どおりに調整したサンプル溶液中のソバたんぱく質の濃度は、FASPEK では25.6μg/g、FASTKITでは20.0μg/gとなり、いずれも陰性という結果になりました。発芽そば発酵エキスは、そばの新芽の青汁を乳酸菌で発酵しています。pHの低下や酵素の働きなどによって、アレルゲンが分解された結果であると考えています(念のため、ソバアレルギーをお持ちのお客様には飲用をご遠慮いただいています)。

次に検証したのが、マウスを用いた急性毒性試験です。体重1kgあたり5,000mgの発芽そば発酵エキスを5匹のマウスに投与して、生死、健康状態、体重の推移を観察しました。観察期間は14日間です。その結果、いずれのマウスにも死亡は見られず、健康状態にも異常は認められませんでした。体重の増減にも問題はなく、発芽そば発酵エキスの無毒性量は5,000mg/kgを上回ることが明らかになりました。

安心・安全な発芽そば発酵エキスをお届け

最後に、マウスを用いて行なった遺伝毒性試験をご紹介します。遺伝毒性試験では、小核を有する多染性赤血球誘発性の有無を検討しました。多染性赤血球は骨髄から産生されて間もない赤血球で、小核を有する多染性赤血球が多い場合は、骨髄細胞の染色体に対して異常が誘発されたことを意味します。

30匹の多染性赤血球 2,000個を観察した結果、発芽そば発酵エキスを投与していないネガティブコントロール群では小核多染性赤血球が2〜6個認められ、その出現頻度は0.15%でした。また、観察したすべての赤血球中における多染性赤血球の割合(PCE比)は54.5%でした。

発芽そば発酵エキスを投与したマウスの小核多染性赤血球の出現頻度は、体重1kgあたり500mgを投与したグループで0.22%、1,000mg/kgを投与したグループで0.11%、2,000mg/kgを投与したグループで0.21%となり、ネガティブコントロール群と比較して有意な増加は認められませんでした。試験対象の物質の骨髄細胞に対する影響の指標であるPCE比についても、体重1kgあたり500mg、1,000mg、2,000mgのグループでそれぞれ 53.0%、53.5%、58.5%という結果で、ネガティブコントロール群と比較して有意な増加は認められませんでした。

一方、変異原性物質を投与したポジティブコントロール群の小核多染性赤血球の出現頻度は1.29%と大幅に増加。陰性対照グループに比べて有意に増えており、PCE 比は48.4%でした。遺伝毒性試験では、発芽そば発酵エキスがマウス骨髄細胞に対して染色体異常誘発性を示さないことが明らかとなっています。

5回に分けて、ドクター論文を解説してきました。現在、間質性膀胱炎に対する有効性の検証を続けていますが、安心・安全な発芽そば発酵エキスをお届けしていきたいと考えています。

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