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乳酸菌発酵で抗アレルギー作用が20倍 べにふうき茶と同等の活性を持つ発芽そば発酵エキス

そばの新芽の青汁を乳酸菌発酵すると、ケルセチンの量が増加します。ケルセチンには、抗アレルギー作用があることがわかっています。そばの新芽と発芽そば発酵エキスの抗アレルギー作用を比較したところ、乳酸菌発酵によって活性が20倍ほど強くなることが確認されました。発芽そば発酵エキスの活性は、アレルギーを抑制する働きが報告されているべにふうき茶と同等であることも明らかになっています。

乳酸菌を除去したエキスでも活性を確認

常務の前島です。前回の記事では、発芽そば発酵エキスの抗酸化活性をご紹介しました。そばの新芽を搾汁・発酵すると、抗酸化活性は強くなるという結果が得られています。関与成分は、ケルセチンをはじめとする抗酸化物質です。

ケルセチンには抗酸化作用のほか、抗アレルギー作用があることも知られています。代表の前島の記事でも以前ふれられていますが、開発して間もないころに発芽そば発酵エキスを飲んでもらった身近な人からは、花粉症やアトピー性皮膚炎が改善したという声がいくつか寄せられました。ドクター論文では、発芽そば発酵エキスの抗アレルギー作用についても検証を進めていきました。

実験では、発芽そば発酵エキスのヒアルロニダーゼ阻害活性を評価しました。花粉症や鼻炎、アトピー性皮膚炎などのアレルギーは、体内に入ってきたアレルゲンによって刺激されたマスト細胞からヒスタミンやロイコトリエンなどの炎症物質が放出されることで起こります。ヒアルロニダーゼは、ヒスタミン放出に先立って働きが活発になる酵素です。ヒアルロニダーゼ阻害活性とヒスタミン放出抑制には、正の相関があることがわかっています。

そばの新芽の青汁と発芽そば発酵エキスのヒアルロニダーゼ阻害活性を調べたところ、発芽そば発酵エキスの活性は青汁の約20倍であることがわかりました。また、発芽そば発酵エキスから乳酸菌を除去したエキスにもヒアルロニダーゼ阻害活性があることを確認。これは、乳酸菌以外の物質がヒアルロニダーゼ阻害活性に関与していることを意味しています。

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そばの新芽の青汁・発芽そば発酵エキス・乳酸菌除去後のエキスのヒアルロニダーゼ阻害活性

フラボノイドのほかペプチドの関与も示唆

一連の研究では、抗アレルギー作用のあるべにふうき茶のヒアルロニダーゼ阻害活性を調べました。べにふうき茶には、メチル化カテキンが多く含まれています。メチル化カテキンは、マスト細胞内の情報伝達系を阻害することでマスト細胞の活性化を抑えて、ヒスタミンの遊離を抑制することが報告されています。実験では、発芽そば発酵エキスのヒアルロニダーゼ阻害活性とべにふうき茶のヒアルロニダーゼ阻害活性は同等であるという結果が得られました。

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発芽そば発酵エキスとべにふうき茶のヒアルロニダーゼ阻害活性

気になるのは、ヒアルロニダーゼ阻害活性に関与している成分です。発芽そば発酵エキスをメタノール層と残渣に分けて活性を調べたところ、それぞれに強い活性が認められました。メタノール層には、ケルセチンなどのフラボノイド類が多く含まれていると考えられます。残渣については、発芽そば発酵エキスに含まれる成分のうち、ペプチドなどが存在しているものと見ています。単離にはいたっていませんが、そばの新芽を搾汁・発酵することで抗アレルギー作用も増強することを今回の記事ではご紹介しました。次の記事では、発芽そば発酵エキスの安全性についてまとめていきます。

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