認知症の人に触れ合っておくと良い理由
もっと、社会全体で認知症の人と普通に触れ合う機会があったほうが、全体的には良いのではないかと思う。
誰もが認知症の可能性から免れないならば、見ないようにするより直視しておいたほうがましな場合が多いと思うからだ。
単純に見慣れておいたほうが恐怖は少なくなる。
また、自分が受け入れておく事で、自分もそうなった時に受け入れてもらえそうという感覚を得られるから楽になるように思う。
見ていると、認知症になるその時まで何も考えずにいて本当に「その時」が来てしまった方は、やはりそこから大変な苦悩をする羽目になっている事が多いようだ。
何を考えても数秒で忘れてしまう頭になってからは、考え事すらままならず、覚悟ができず、そのままもっと物事がわからなくなって口も聞けなくなるまでは、苦しみ続ける事になる。
私は他人様の考え事のお手伝いをする事はちょっと得意だが、考え事ができなくなった方の認知をどうにかするのはさすがに困難だ。
施設勤めをしていた頃、就寝時間が過ぎたベッドの上で、ご自分の無力感に苦しんで、不自由な体でのたうち回っていた認知症のおばあちゃんの姿は、私の脳裏に焼き付いて、私はこれからどう老いるべきかと考えさせてくれた。
もちろん極端にメンタルの弱い人が、そういう本物の認知症を中途半端に目にする事で、恐怖に負けて悪いほうに転ぶリスクもゼロではないので、全員が必ずとは言わないが、
おそらく大半の人は、知る事のメリットのほうが大きそうだ。
まだ自分で自分をどうにかできる内に、自分のマインドをしっかり準備しておくためには、認知症の人と自然にお付き合いしておくのはやはりトータルで良い事だろう。
ここまで「認知症でない側」の人のメリットの話しかしていないが、
それが「認知症になった側」の人のメリットとも合致するところで、
「週に1時間でも訪問ヘルパーをやってみない?」と、最近、人に言ってみたりしている。
訪問介護は有資格者しかできないので、資格をとる必要はあるが、最下位の資格は短期間受講すれば原則として最後は必ずもらえるものだし、実質無料である事も多い。
そして、このご時世に、人手不足でニーズがほぼなくならないので、自営業などやりながら少しずつ定収入が欲しいという人にも条件がマッチしやすい仕事だ。
少しでも時間や心身に余裕のある人はぜひ検討してみてもらいたいと思う。
余談ながら、介護だけでなく、ごみの回収や分別、道路のそうじとか、公共要素のある事は皆で持ち回りにしたら良いんじゃないのかなと思っていたりもするのだけど、それはまた別の機会に。
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