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エフ=宝泉薫
2019年11月2日 08:41
それから1時間ほどが過ぎ・・・もう、ダメ。これ以上食べたら、歯止めが効かなくなる。198キロカロリーまで、食べたところで、やめにした。300キロカロリーまでなら、許すつもりだったのに。それでも、Eクンに、「よかった、食べることができて。なんか、顔色もよくなったみたいだよ」と言われ、ホッとする。さっき、洗面所で見た自分の顔、ひどかった。生気がなくて、死人みたい。髪もボサ
2019年11月8日 08:48
「もしもし?」聞き馴染んだ声がした瞬間、心臓が今までにないほどバクバクし始めた。「私だけど・・・ごめんね、お母さん、あのさ・・・」「あ、今、話しにくい状況だから・・・ちょっと待っててね。すぐだから、切らずに、待ってて!」Eクンに言われて、母親に電話をかけたものの、心の中は後悔の渦。いっそ、切ってしまおうかとも思うけど・・・「守ってあげる」と言ってくれたEクンの顔を見て、逃げち
2019年11月10日 17:16
Eクンの勧めで、浴びることにしたシャワー。着替えを持って、バスルームに入り、服を脱ぐ。……えっ!?鏡に映った自分の姿に、ギョッとした。これ、本当に私なの?骨ばかりが浮き出て、でも、お腹だけはぽっこりしてて、栄養失調の難民みたい。いや、中途半端に残ってる乳房がだらんと垂れてるところなんて、死期の近づいた老婆みたいだわ。さっき、自分の顔色を見て、病的だと思ったけど…こっちは、病
2019年11月17日 12:24
時計を見たら、8時を少し回ったところ。一瞬、ぼーっとしたあと、大変なことに気づいた。どうしよう、彩華ちゃんのカテキョ、7時からの予定なのに。どうしようもない、もう間に合わないよ。ケータイを見ると、案の定、彩華ちゃんのお母さんからの着信が、いくつも入ってる。あ、彩華ちゃんからのメール、もだ。とにかく、謝罪の連絡をして、予定変更の相談とかしなくちゃ。でも、何て言えばいいの。気持ち
2019年11月22日 19:22
「あのね・・・」座るよりも早いくらいの性急さで、伯母は口を開いた。「これから、伯母さんの家に来てほしいの。あなたのお母さんとも相談したんだけど、このまま、一人暮らしさせてるわけにはいかないんじゃないか、って。今日だって、家庭教師、休んじゃったんでしょ。彩華ちゃんのお母さんから、連絡がとれない、って電話がきて、わたし、まさか・・・って、最悪な状態、想像しちゃった。お願いだから、目