人生 いろいろ面白い!

「知らぬが ✖✕」ということわざがあるけれど、
若いころには、いえ、今でも失敗(?)というか…
思い出しても 笑えることが いっぱいある。
家事の合間に フッと思い出して、一人苦笑するときがあるのだが…
こんな時もあった

 私が中学生になった頃、長兄が「薬局」を開いた。
調剤薬局だったので、薬を計り終えた薬包紙を よく包まされた。お陰で 薬以外のものでも 薬包紙の包み方が 役立つ時がある。
そして、一番ドキドキものが「店番を頼まれる時」、私は心の中で「お客さんが来ませんように!」って、いつも祈る思いで 座っていたことを思いだす。
 ある晩、急に兄が「ちょっと、座ってて!」と、奥の間に引っ込んでしまった。 しぶしぶ私は承諾、もう薬局を閉める時間に近かったので、ま~、お客さんは来ないだろう!と思っていたのに、あわてて店に飛び込んで来た人がいた。私はさっそく「いらっしゃいませ!」と言いながら出ていくと、中年の男性が いきなり「サックください!」と言う。
男の人が使う「サック」って…? と、一瞬「?」が飛んだが 私は咄嗟に「指サック」だろうと思って「何指ですか?」と聞いていたところ、兄が 奥の間から飛んで返って来るようにして「はい、はい、今お出しします!」と言いながら私に向かって兄がお尻の方で手を振りながら「はよ、中へ入れ!」という しぐさを するので、私はなかへ入ったが、あの「サック」は「指」ではない別の処につけるのだ!と、知ったのは 随分後のことだった。

 家族や兄姉妹に守られてきた一応「箱入り娘」の私の箱は、虫喰いだらけの窓付ドア付の箱だった。おだやかな生活を夢見て結婚したが、娘時代の箱を足で踏んづけられたようなことが次々と起ったけれど、私は無我夢中で その時その時を乗り越えてきたように思う。
「今、あのひとは…」は 私にとって、もっとも珍奇な体験で 思い返せばいろんなことが経験できて楽しかった!と思える人生の一コマです。
お読みいただければ 幸甚です。



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