「恋文の技術」を読んだ。 誰かに手紙が書きたくなるような小説だった。 *** この作品は、いわゆる「書簡形式」の小説だ。 主人公の守田一郎が書いた手紙を、読者が垣…
「推し、燃ゆ」は、主人公の推していたアイドルが、ファンを殴って炎上したことから始まる物語だ。 推しが燃えたから「推し、燃ゆ」である。シンプルなタイトルだ。 この…
笛入礼太
2024年7月7日 03:08
「恋文の技術」を読んだ。誰かに手紙が書きたくなるような小説だった。***この作品は、いわゆる「書簡形式」の小説だ。主人公の守田一郎が書いた手紙を、読者が垣間見ているといった体で進行していく。第一話を読んだだけの段階では、守田とその後輩の話しか出てこない。しかし第二話、第三話と読み進めていくと、手紙をやりとりする相手が変わっていき、守田は複数の人物と文通をする「文通武者修行」を行って
2023年7月3日 03:09
「推し、燃ゆ」は、主人公の推していたアイドルが、ファンを殴って炎上したことから始まる物語だ。推しが燃えたから「推し、燃ゆ」である。シンプルなタイトルだ。この作品を読んで思ったのは、これは単に「推し」を推すアイドルファンの悲哀を描いた物語ではないということだ。「推し」を推す、という表現は近年メジャーになった表現と言えるし、こういった流行ネタを扱った作品は、基本的に廃れるのが早い。例えば、