「推し、燃ゆ」を読んで #白熊文芸部
「推し、燃ゆ」は、主人公の推していたアイドルが、ファンを殴って炎上したことから始まる物語だ。
推しが燃えたから「推し、燃ゆ」である。シンプルなタイトルだ。
この作品を読んで思ったのは、これは単に「推し」を推すアイドルファンの悲哀を描いた物語ではないということだ。
「推し」を推す、という表現は近年メジャーになった表現と言えるし、こういった流行ネタを扱った作品は、基本的に廃れるのが早い。
例えば、芥川賞作家・綿矢りさのデビュー作「インストール」は、女子高生がパソコンの風俗チャ