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Angelo Negro e Figli - Piemonte - Barolo

書き始め

社輸入の生産者の中でも数々のアワードで上位をかっさらっていく生産者でして、先日のScarboloよりも世界的に有名な生産者さんです。
今日はちょっとディープなピエモンテの世界に足を踏み入れていこうと思います。

Negroの話をする前にバローロ村とロエロ村つまりピエモンテの話からさせてください。

行きます。

Barolo


バローロは三つの山塊に囲まれています。北イタリアはピエモンテ州です。北側はヴァッレ・ダオスタ、東はロンバルディア、エミリアーロマーニャ、南はリグーリア。クオーネ県。とこんな感じ。
緯度的にはボルドーと同じくらい。
同地区は旧ローマ時代からPedemontiumと呼ばれていたところで、Pedem montium=「山の麓」。←まんまですね。
中央を北のアルプスを源流とするランゲ川が流れています。この川が同地の土壌に大きな特徴をもたらしているわけですね。

ランゲ川はアルプスの豊富なミネラルが溶け込んだ恵みの川です。そしてしばしば氾濫する。その氾濫が土地に豊富な栄養を残してきたと言われています。

支流のひとつにタナロ川と呼ばれる川があり、そのタナロ川の北側がロエロ地区、南側がランゲ地区です。

北側ロエロ地区は砂質で枯れた地です。ワインの生産は盛んで、ネッビオーロの他にも、バルベーラ、ドルチェット、アルネイス、ファヴォリータ、シャルドネ、ソーヴィニヨン、モスカートなど多くの品種が作られています。

一方、ランゲ地区は青色粘土質のところが多く複雑な土壌が入り混じった地域です。
バローロ・バルバレスコの村は、このランゲ地区にあります。

このランゲ(Langhe)はケルト語です。range=舌から来ているとされています。北のアルプスの土砂崩れで出来た緩やかな斜面が、北アルプスから出た「舌」に見えたのかもしれません。ついでにバローロBaroloですが、こちらはラテン語が字源でbasso luogo(低いところ)という意味みたいです。
バローロ城に立つと、周辺を見下ろす丘の上なので、もうひとつイメージが沸かないかもしれませんが、それでも旧峻なアルプス山塊に三面囲われて、なるほど低いところなんだなぁと納得することが出来ます。

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※上記地図下記リンクより引用

★バローロの5大産地


・ラ・モッラ(La Morra)
土壌はマンガン、マグネシウム、石灰質の含有量が高い。香り高く、優美で、バランスが良い比較的若飲みのバローロを生む村。標高500mにあるラ・モッラ村からバローロ村に向かって下っていく雄大な傾斜にはブルナーテ(Brunate)、チェレクイオ(Cerequio)などの著名畑が並んでおり(一部Baroloに重複)、現在60を超えるワイナリーが登録しています。また、この産地は他の産地に比べて鉱石の含有量に僅かな差がある為、比較的早熟に仕上がる事が多い産地です。

・モンフォルテ・ダルバ(Monforte d’Alba)
パワフルで力強いバローロを生む村。ブッシア地区は包み込むようなスミレのような香りを持つ優美なワインを生み、村の西側にあるサン・ジョヴァンニ(San Giovanni)、北東にあるジネストラ(Ginestra)、モスコーニ(Mosconi)などの畑は濃い果実味をもつフルボディのワインが生まれます。


・バローロ(Barolo)
北西部に位置し標高310メートルにある村で、ブドウ栽培比率はネッビオーロ種が62%と比率も高いです。 モンフォルテ村の力強さとラ・モッラ村の優美さの両方を合わせもち、華やかな芳香と高い酸、ストラクチャーがありながらシルキーな質感のバローロになります。もっとも調和の取れた典型的とも言えるバローロが生まれる村。トルトニアーノ土壌とエルヴェツィアーノ土壌がぶつかるカンヌビ(Cannubi)が典型的です。

・カスティリオーネ・ファッレット(Castiglione Falletto)
生産量は少ないながらも、独自の土っぽさを持つ豊かなバローロを生みます。バローロ村を見晴らす西側にはヴィッレーロ(Villero)、モンプリヴァート(Monprivato)など力強いワインを生む畑が連なり、香り高くエレガントなワインを生む畑があります。


・セッラルンガ・ダルバ(Serralunga d'Alba)
最も厳格で長期熟成能力の高いバローロを生む村。なめし皮、スパイス、カカオのトーンを持つ、ミネラル分溢れる凝縮感のあるバローロが生まれる。ヴィーニャ・リオンダ(Vigna Rionda)、ラッツァリート(Lazzarito)、パラファーダ(Parafada)、ガブッティ(Gabutti)、オルナート(Ornato)、カッシーナ・フランチャ(Cascina Francia)など綺羅星のごとき著名な畑が並びます。


今回の生産者の拠点Roero


ロエロはピエモンテ州南部にあるワイン生産地であり、名前の由来は昔この地にいたロエロ公爵です。ピエモンテにはバローロ・バルバレスコという世界的に有名な生産地がありますが、ロエロもそれに次ぐ知名度があります。

ロエロはタナロ川の北岸に位置しています。川を挟んだ反対側はランゲであり、こちらもワイン生産地として有名です。ロエロ、ランゲ、モンフェッラートは、ブドウ畑の景観が世界遺産として登録されていることでも知られています。ロエロの標高は約300mで、土壌は石灰粘土質と砂質が入り混じっています。南向きの斜面にブドウ畑が広がり、年間降水量は400mmほどで少なめです。

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D.O.C.G Roeroは2004年に認定された比較的歴史の浅いワイン法です。
白はアルネイス、赤はネッビオーロと赤白ともに認定されている珍しい産地でもあります。また、赤ワインには95%以上がネッビオーロを使用し、補助品種としてアルネイスを混醸しても良いこととなっています。
アルネイスとは『気難しい』や『変わり者』という意味を持つ品種です。
その名の通り、栽培が難しく、収穫は減少の一途にあり、一時期は絶滅寸前まで減少しました。しかし、ViettiやBruno Giacosa、Negro等の尽力により今日のワイン法確立という快挙と、世界的銘醸地へと舵を切ることに成功したのです。


Angelo Negro e Figli

さて、ここまでピエモンテについてザックリとお話をさせていただいたところで、本日の本題の生産者のお話に移らせていただきます。

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1670年からRoeroの丘でブドウの栽培を開始。
ピエモンテではまだ無名であったRoeroに可能性を見出し、本拠地として活動を始めました。他の生産者が次々に手放していく中、Negroは栽培の難しい土着ブドウ『アルネイス』を頑なに手放さず、アイデンティティを高めてきたのです。

彼らは言います。
『私たちの仕事を刺激する情熱は非常に密接な関係にある地域への愛と尊敬の念からくるものであり、歴史と伝統を貴重な遺産であると認識し、後世に継いでいかなければならない』

彼らのワインは歴史を飲むかのような味わいに仕上がっているのはこのためです。

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↑軽々とワインを持っているNegroおじさんですが持っているワインはサイズがおかしいですwww


Monteu Roeroのセッラルピーニ
ロエロの丘の南から南西にむいている立地。石灰質の砂質土壌には化石化した貝殻の残骸が含まれており、海洋起源を証明しています。標高は280メートル~320メートルの範囲です。これらの条件により、ロエロの砂質土壌に特徴的で明らかなミネラルと風味を持ったアルネイスがここで作られます。
除草剤は使用せず、手作業で収穫。ブドウの品質を維持するために、ブドウを摘み取り、20kgの木枠に入れます。

Monteu Roeroのプラキオッソ
地名であるプラキオッソはラテン語の「Pratum chiusum」(閉じた放牧地)に由来し、自然の円形劇場内でのこの地域の特定の露出を反映しています。
モンテウロエーロのサンタンナ集落にある畑は谷の南側に位置します。1200年からブドウの木が栽培されてきた畑を1960年代に地元の貴族からアンジェロ・ネグロによって購入され1971年に植えられました。

土壌は石灰質の砂質で、320メートルの標高に位置します。南向きはここで作られたロエロに頑丈なストラクチャーと良いボディを伝えます。
除草剤は使用せず、手作業で収穫します。ブドウの品質を維持するために、ブドウを摘み取り、20kgの木枠に入れます。

Monteu Roero Santo Stefano Roeroのスディスファ
プラキオッソの上級キュヴェで同ワイナリーの赤ワインのフラッグシップ。
2008年からイタリアワインの評価雑誌ガンベロロッソで最高評価である“トレビッキエーリ”を毎年獲得する銘酒。
同ワイナリーのバローロと比較して非常にまろやかでしなやかな印象を持つ。セッラルンガ・ダルバに比べると早熟でネッビオーロの銘醸地に数えられる理由が頷ける。

Serralunga d'Albaのバローロ
MGAの数:39※MGA(Menzioni Geografiche Aggiuntive=追加地理言及)
ワイナリーの数:29
この畑は、セッラルンガ・ダルバの自治体にあり、近年同ワイナリーによって購入されました。土壌は、主に泥灰土、堆積性石灰質粘土、砂岩の層で構成されています。
微気候と土地の特徴的な性質は、高貴なネッビオーロ品種の最高の表現のための理想的な条件を提供します。畑は、最高級のDOCGバローロの1つBaudana(バウダーナ)、ワインの生産のためのこの地域で最も有名な斜面は、そのストラクチャーと熟成年数により世界中で高く評価されています。
テロワールは、木樽での長い熟成とともに、ここで作られたバローロDOCGにボディ、エレガントなタンニンそして持続的な後味を伝えます。

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Serralunga d’Albaの地図下記リンクより引用


あとがき

今回も最後までお読みいただきありがとうございました。
銘醸地故に今回の記事一本だと疲れてしまう(何より僕が疲れました)ので、BarbarescoやBaroloの詳しい記事は別途ご用意させていただきます。Negroのワインはまだまだ段階的にしか日本に入ってきていません。現地(ピエモンテ)のリストランテでは殆どの店が彼のワインを取り扱い、彼のワインを置いていないのはモグリであるとすら言うソムリエもいるほどです。今後の新規輸入情報に注目していただけると幸いです。

購入はこちらから

↑Pass: terravento4620



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