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いらない本、どうしてますか?


いらない本の処分は難しい

本の処分に困っているという人は多いはず。

子どもの成長とともに要らなくなった絵本、
読み終わったからもう手元に必要ない本、
高校の参考書や教科書、
故人の書斎の小説……

「捨てるのにもお金がかかのよね」
「ブックオフや中古書店に売ろうかしら」
「メルカリっていうのが便利って聞いたけど、インターネットは難しい……」

もちろん、古書店に売ることができれば金銭的なメリットもあります。
だけども古書店が買い取ってくれなかったり、売っても二束三文にさえならない書籍も多いはずです。

最近は捨てるのさえお金がかかる時代です。
世の中にはそういった引き取り手のいない書籍たちが眠っています。


売らない、捨てない、第3の手段


そのような行き場のない本を手軽にかつ有益に処分する方法を教えます!


それはズバリ‥‥‥






図書館に寄贈すること!!


基本的に図書館は、来る書籍を拒みません。
おそらく皆さんが住まれている自治体の図書館なら寄贈を受け入れてくれるでしょう。

例えば北は北海道札幌市の図書館

南は沖縄県那覇市


もちろんすべての書籍が受け入れられるとは限らない(有害図書とか)ので、その点はお住まいの自治体にお問い合わせください。

ちなみに私は、書籍の寄贈を断られたことはありません!


寄贈の5つのメリット

図書館に寄贈することのメリットを5つのポイントに絞って紹介します。

💡
安くて買い取り不可の書籍も引き取ってもらえる
ブックオフや駿河屋さんなどはあまりに安い本や需要のない本を買い取ってくれないこともありますね(0円でとか…)。そうした書籍も図書館なら受け入れてくれます。

💡
お金がかからない
お金をもらうことはないけど、処分代を要求されることはありません。これは嬉しいですね。

💡
お金がなくて本を読めない人の文化資本を守る!
世の中には本1冊さえ購入できない人たちがいます。そういった方々の人間らしい文化的な生活を支える手助けになるのです。本は言ってしまえば「いらない」もの。だから特に子どもや貧困層にとってまず最初に切り詰める娯楽費になってしまう。だからこそ図書館が大切なのです。

ちなみに図書館法第二条はこうあります。
「この法律は、社会教育法(昭和二十四年法律第二百七号)の精神に基き、図書館の設置及び運営に関して必要な事項を定め、その健全な発達を図り、もつて国民の教育と文化の発展に寄与することを目的とする

💡
図書館の本は究極まで再利用される!
いくら図書館といえど貸出がされていない本は処分対象となってしまいます。だからといってそのまま古紙として捨てられるわけではありません。そういった本は、低価格でマーケットに出されたり、保育園などに寄付されていくのです。
あなたが寄贈した本がめぐりめぐって世の中で必要とされていくサイクルが生まれるのです。素敵ではありませんか。

💡
歴史や文化を未来の世代につなぐ

学術書などに言えることですが、高価で流通量も少ないです。そうした書籍はいとも簡単に入手できなくなってしまうんですよね(たった5年で入手困難になったりします)。だからこそ未来の人が過去を知るための術として、図書館の蔵書を必要とするのです。
その中でも郷土資料はすぐに喪われて行ってしまう性格なので、寄贈が求められています。
想像したくない未来ですが国や自治体の予算が削られるなどして図書館が書籍を購入できなくなることも考えられます。そうなったとき図書館を支えるのは我々市民の使命にもなりうるかも?(日本の政治や社会は図書館の役割を軽視してきたという過去があります)


SDGsは意外とカンタン

わざわざメリットに挙げていませんが、これらはSDGsにつながる行為です。そもそも日本人は「もったいない(mottainai)」の精神を大切にしてきました(実は日本は世界で有数の出版大国なんですよボソッッ)。

しかも日本は大きな戦乱や革命も起きず(中国の文化大革命や焚書、フランス革命など)比較的平和だったため、戦火を逃れてきました。世界各国とくらべて昔からの書籍がたくさん残っている方なんです。

そういった日本人の精神に則っても、図書館に寄贈するというのは素晴らしいことなんです。
本が必要とされる社会を作るお手伝いだと思って、皆さんも不要な書籍は図書館に寄贈していきましょう!!



【雑学】もったいない精神は漢字にも?!

これは余談ですが日本人の「もったいない精神」は漢字文化に表れているんですよ。SNSやYouTubeで日本の漢字の読み方が多すぎる…!と話題になります。例えば下記の文章における「日」の読み方に注目してください。

「3月1日は日曜日で祝日、晴れの日でした」

「日」の読み方バリエーションはTVやネットで時折バズります

実は漢字発祥の地・中国ではこんなに読み方は多くありません。
基本、漢字の読み方は一対一対応。

ではなぜ日本の漢字はこんなに読み方があるかというと……
とにかく昔の日本人は、漢字の読み方コレクターだったから。

日本の漢字の読み方、特に「音読み」はさらに3つの種類に分かれます(これは厳密な説明ではないので、言語学の皆様におかれましては何卒ご容赦くださいm(_ _)m)
つまり、
・呉音
・漢音
・唐音

字面から推察できるようにこれらはすべて中国から輸入されたことを示しています。漢字の読み方は中国から輸入されてきているのですが、中国では政治情勢が変わるたびに、支配者勢力の民族の方言が優勢になったりしました(だだっ広い中国ですから方言・訛りが豊かです)。それによって中国では漢字の読みが一新されるのです。だから中国において漢字の読み方は一対一の対応関係をとります。
そうなると中国情勢が変わるたびに、日本に輸入される〈漢字の読み方〉も変わっていくことになります。なのに日本人は中国で使われなくなった読み方を更新せずに、ただひたすらに足し算してきました。つまり新しい読み方が輸入されるたびに漢字の読み方リストを追加していきます。だから日本において一つの漢字にたくさんの読み方が、地層のように積み重なっていったのです。WHY Japanese people!!!

昔から日本人は文化を大切に扱ってきたわけですね。過去の営みに畏敬の念を抱いてきたわけです。もったいない精神は漢字にも潜んでいたわけです。


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