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これこそ自分が求めていたモノ・サービスだ!! と思うものは何ですか? なぜそう感じたのでしょうか?[事業編 #30]

マーケティングとは、顧客のニーズ、欲求、価値と、サービスの提供者である組織の製品、価値、姿勢とを合致させるための仕事である。

非営利組織の経営
第Ⅱ部 マーケティング、イノベーション、資金源開拓
第3章 非営利組織のマーケティング戦略ーフィリップ・コトラーとの対話 p94より


本当に欲しいもの、本当にありたい自分、本当に目指すべき社会……言語化できますか?

世の中にあふれているモノ・サービスは、本当に顧客の欲求を具現化したものなのでしょうか?

成熟した社会しか知らない人に占められている現代の日本において、「これが欲しい!!」「こうありたい!!」と感じることが難しくなっているように感じています。

満たされている環境の中で、「こうあればいいのにな」と感じることはあっても、その欲求が満たされているものを探すのも、正直面倒です(;^_^A
似ているものは探せるけれど、そのモノ・サービスの独自性を知ることは、似た商品の詳細情報をいくつも見比べてみるしかありません。

今感じているもやもやは、この先技術が発達するにつれ、より難しくなっていくのではないでしょうか。


題名に驚いて手に取ったのが『ほんとうの欲求は、ほとんど無自覚』 (大松孝弘 / 波田浩之 著 宣伝会議)です。

欲しいものを欲しいタイミングで、手に入れられていると思っていました。でもよく思い返すと、欲求を言葉にするって難しいんですよね。
例えば家族に対して、「今調子悪いから体調に合わせた飲み物を提供してほしい」と感じていたとしても、家族がそれをどのレベル感で探ることができるものでしょう。
言葉のつたない小さなお子さんと一緒に過ごしていらっしゃる方にとっては、毎日苦労されている点でしょう。
それが対大人となった場合、相手に伝わる言葉を用いて伝えられているでしょうか?
言語化ができる大人に対して、言語化されていないものを推察する、という行為はあまり行われることはないのでは? と思うのです。
誰かに対して推察する行為を行わないのと同様に、自分に対しても言語化できない想いについては見て見ぬフリをしていませんか。
マーケティングとは、売りたいものを買わせるための手法ではなく、顧客の言葉にならない欲求をモノ・サービスに変換して提供すること、だと思うのです。
モノ・サービスを提供するということは、どれだけ大きなマスの想いを入手するかにかかっていると思うかもしれませんが、可能な限り、個人のより個人的な想いを具現化することで、他の誰かのか無自覚な欲求を引き出すことに成功することではないでしょうか。


ニュースも物販も、趣味の情報も、好きなものであふれている生活は、充実しているような錯覚を覚えます。
でも、変化も進化もありません。
恒常的なぬるま湯にだらだら使っているだけです。
ぬるま湯でのんびりできているつもりなのに、新しい情報はなく、本当に知りたい情報を検索するための能力が以前より求められている気がします。

SNSや検索技術、アルゴリズムが発達しすぎて、「あなたの欲しい情報はこれです」と似たような情報ばかりが提供されるので、そこから外れた情報を探すことが難しくなっている気がします。
誰かがまとめてくれた記事、多くの人に称賛されるけど真偽のほどがわからない情報、要らない広告は排除したいけれど関連する情報まで削除したいわけではないジレンマ……本当に必要としているものは何なのでしょう。

わたし自身が見る機会は少ないですが、YouTubeの個人チャンネルだと、発信しているご本人の表情や声色を大切な情報源として、誰かに編集されていない情報として信用できるものなのかなぁ、なんて感じています。
誰にも編集されていない一次情報をいかに得るか、それが難しいんですよね。

モノ・サービスを提供する場合、「本当の」顧客のニーズをいかに入手するのか、満たされた人から隠れた欲求をいかに引き出すのか、より難しい時代になっています。

発信することは、とても簡単な世の中になりました。
発信したものを発信したとおりに受信してもらうことは、いかにキャッチーであるかに左右されているようです。
キャッチーであることと、情報の信ぴょう性は必ず比例するわけではありません。

受信することは、とても難しくなっています。
本当の顧客のニーズはどこにあるのか、マーケティングはこの先より難しくなっていく気がしています。


顧客のニーズ、どのように入手していますか?
顧客のニーズと、あなたが提供するモノ・サービスのマッチングはどのくらいの精度がありますか?
マッチングの度合いを高めるために、どんな工夫をしていますか?
あなた自身のニーズが満たされたと感じるモノ・サービスは、どんなものでしたか?


実践するドラッカー【事業編】』 
PART1 理論編 chapter3 マーケティングを問い直す p68 #30


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実践するドラッカーシリーズは、膨大な数のドラッカー先生の言葉を選りすぐり、5つのテーマ別にまとめられた書籍です。
編著者の佐藤等先生は、札幌を中心に全国各地でドラッカーの書籍を中心に読書会を開催されてきました。
ドラッカー先生の言葉と佐藤先生の解説が1セット、そこかしこに「今のあなた」に必要な言葉が散りばめられています。
佐藤先生の解説は、ぜひそれぞれの書籍で確認してください(*^ω^*)
ここではわたしが感じたことをお伝えしていきます。
自ら考え、決定し、行動するあなたのためのドラッカー、一緒に探してみませんか?

【事業編】は、時間軸を意識し、自らを変革させていく姿勢と方法を習得するため、自らの事業を明確に定義するための補助線として書かれています。

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