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モノ・サービスの誕生秘話には、顧客の想いは詰まっていますか? 込められた想いの差が、顧客に受け入れられている度合いの差、だと思います。[事業編 #31]

これまでマーケティングは、販売に関する全職能の遂行を意味するにすぎなかった。それではまだ販売である。われわれの製品からスタートしている。われわれの市場を探している。これに対し真のマーケティングは顧客からスタートする。

マネジメント(エッセンシャル版)』 Part1 マネジメントの使命
第1章 企業の成果 p17より


現在、販売・提供されているモノ・サービスのうち、発案者が提供したくて出来上がったものと、顧客の要望を叶えるために生まれたものの割合はどのくらいなんでしょうね。

発案者が提供したくて出来上がったモノ・サービスは、顧客の要望を叶えるための商品と判断されなければ、多くの人の手に取ってもらうことは難しいのではないでしょうか。
良い商品なのに売れない……そんなジレンマがあるのであれば、きっとそれは、発案者の独りよがりな商品から顧客の要望を叶える商品への変貌を遂げられていないのでしょう。

その商品を手に取ってくれるのは、購入してくれる方の数を分子に、欲しい!! と感じる人の数を分母として、1/発案者1名、となるのか、100人/要望をかなえたい顧客100名、となるのかでは、結果は同じ1となっても、そのモノ・サービスが浸透するための労力に大きな差が出ます。


見つけた瞬間、吟味することなく購入したのが『力尽きレシピ』 (犬飼つな 著 光文社)!! これこそ顧客の要望を汲み取ったレシピではないでしょうか♪

今のあなたの残りの体力に合わせたレシピが、多数提案されています。
わたし自身は、食材に火が通ってさえいればいい、という大雑把な料理しかしないので、失敗しない料理を追求してはいません。
次つくるときに調整してみればいいや、と思っているし、安定した味を求めてはいません(;^_^A
毎回凝った料理を作りたい、これぞ家族の味!! というものを追求したい、となれば、一度の失敗も惜しいと感じ、レシピに沿った料理で食卓をにぎやかにするのでしょうか。
そんな思いとは裏腹に、あくせくした今の社会では、体力は奪われる一方……手の込んだ料理をするのはしんどいものです(-_-;)
そんなとき、すぐに使えるよう手を加えて保存していた野菜、パックご飯や乾麺、ハサミや電子レンジを駆使したレシピは、気持ちを少し上向きにしてくれるのではないでしょうか。
簡単なのに写真映えするような魅力的な料理が満載です。
きっと、この本を企画した人ご本人が、かなりのお疲れモードだったのでは? と想像をめぐらしてしまいます( *´艸`)
15cm角の小さな本です。
書店においては平置きされていないと見つけられない形をしていますが、食器棚の隙間にするっと入ってしまうような形状にすることで、使い手さんの生活になじむものになるのでしょう。
通常の版型のレシピ本は、台所に広げるスペースがありません(;^_^A
このレシピ本は、顧客の要望をふんだんに盛り込んだ、真のマーケティングによって生み出されたものではないか、と思うのです♪


買いたいと思ってもらえるものを販売すれば、販促活動をしなくても売れてしまいます。
広告宣伝費に多額の資金を投入したりしないと売れないのであれば、その商品は多くの人に届かないでしょう。
例えばレモンサワー。
お酒の棚の大部分を占めていますが、普段晩酌をしないわたしにとっては、テレビCMと商品のパッケージ、商品そのものの味が結びつきません。
同じタイミングで何種類もの商品を飲み比べする機会があれば、商品に対する印象そのものが変わるかもしれませんが、その時何を食べていたか、レモンサワーに求めていた味が、甘さなのか、酸味なのか、強炭酸なのか……と様々な要因によって影響を受けて、商品の判別がつかないんだろうなぁ、と思っています。

購入者アンケートを活用し、また飲みたいと回答した人は〇〇%!! といった宣伝文句に使われていますが、その内訳は、CMが好きだから、味が好きだから、安いから……など、様々な理由によるものです。

おいしいレモンサワーが自宅でも飲めるようになりたい!! という顧客の要望を叶えた最初の商品は、きっと顧客からスタートした商品です。
そのあとに続いた多くの商品は、きっと最初の商品が開拓した販路に後追いしているものでしょう。
後追いした商品であっても、顧客の要望から独自性を追求することで顧客に受け入れられた商品も、顧客からスタート商品と言えるのでしょう。


あなたが提供するモノ・サービスは、どんな誕生秘話を持っていますか?
誕生のきっかけは発案者の強い願望だったのでしょうか、顧客の要望と対峙して生まれたものだったのでしょうか?
その誕生秘話は、どのくらいの顧客に受け入れられていると思いますか?


実践するドラッカー【事業編】』 
PART1 理論編 chapter3 マーケティングを問い直す p72 #31


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【事業編】は、時間軸を意識し、自らを変革させていく姿勢と方法を習得するため、自らの事業を明確に定義するための補助線として書かれています。

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