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満たしたいものは何ですか? その欲求は自分発信ですか? 顧客による発信ですか?[事業編 #14]

顧客こそ企業の基盤である。顧客こそが企業を存続させる。顧客こそが雇用を生み出す。その顧客の欲求とニーズに応えるために、社会は富を生み出す資源を企業に負託する。

マネジメント(上)』第Ⅰ部 マネジメントの役割
第6章 企業とは何か p74より


やりたいことをやる、ということは、継続するための原動力となるので良いことだよな、とは思っています。
それよりも、求められていることを愚直に実行する、ということが、社会から求められているんだよな、と思うのです。
求められていることに応えられるのは、やりたいことではなくできることです。

求められていることの源泉は、社会にあります。
社会における困りごとや満たしたいことがいたるところにあふれています。その欲求を発信しているのは顧客です。
顧客に「この組織は、自分たちの欲求を満たし続けてくれるから、存続してもらわないと……」と思ってもらうことが、組織が存続するために必要なことです。

顧客が存在しなければ、満たすべき欲求も存在しませんし、組織が存続する理由もなくなります。
顧客が存在するから、仕事が生まれ、雇用が創出され、消費も生まれ、社会が巡ることにもつながります。

組織は、社会が巡るために、人を集め資本を集め、それらを活かさなければ存在する意味はありません。
顧客を満たせないのなら、集めた人と資本を社会に還元する必要があります。
社会から、組織の存続が求められているかどうか、見つめ直す必要があります。


今回ご紹介するのは、『近江商人の哲学 「たねや」に学ぶ商いの基本』 (山本 昌仁 著 講談社)です。
今のわたしの大好きなものがぎゅーっ!! と詰まっている本なので、登場回数は増えることが予想されます( *´艸`)
最初は「近江商人」と藤森照信建築の表紙写真に魅かれて購入したのですが、マネジメントもぎゅーっ!! と詰め込まれていました。
お庭に関しては、こちらの記事もぜひ!!

顧客について記載されている箇所はいくつもありますが、菓子屋さんとして顧客と向き合っているところということで……。
「主人が変わったら味を変えるのは、そこでいったんリセットし、新しい時代の嗜好に近づけていく知恵なのでしょう」(第6章 変わるもの、変わらないもの)
代替わりするごとに、栗饅頭の砂糖の量は半分、1/4……と減っていっているそうです。
でもお客様には変わったことを悟られず、昔から変わらない味と評されているそうです。
時代が変化し、砂糖が貴重な時代から、健康を気遣う時代へ変化するとともに、顧客自身の味覚も、子どもから大人への成長の中で変化しているということですよね。
もちろん、人口の変化も菓子屋に無縁のお話ではありません。
この先を見越して「健康になる菓子」の研究が進んでいるそうです。
ラ コリーナ日誌を読み始めたらやめられません(;^_^A
美味しそうだし、ここで働けたら……なんて妄想も止まらないし、新しい容器はもう出現しているのでしょうか……、健康になる菓子の行方も気になります。
観光資源としてだけではなく、地元に密着しているから存続が求められているように感じます。
ドラッカー先生のいう「事業」がたねやさんには詰まっていました。


ドラッカー先生は、資本主義社会のその先、ポスト資本主義社会を見つめていらっしゃいました。
今のわたしには、まだポスト資本主義社会は見えていませんが、資本だけ、経済だけで物事を考えられる時代は終焉を迎えているように感じます。
人間の欲求やよりよい生活を求める希望を満たし続ける営みは続くと思いますが、それに対する評価が資本などの測定でき、比較できるものから、組織の独自性や社会に与える影響度など、その組織独自のものに変化していくのではないでしょうか。

これまでの人の営みによって壊れてしまった自然や、生息域を奪われた動植物の未来を作り直す必要もあります。
生み出した技術であふれたごみを、どう自然に返すのかも、大きな問題です。
満たされたい欲求はまだまだ生まれ続けるでしょう。

顧客は社会とともに変化していきます。
その変化についていくためにも、顧客を知り、顧客を満たすために託された資本の使い方について、改めて見つめ直す必要があります。

あなたの事業の顧客は誰ですか?
顧客はあなたの組織に何を求めていますか?
あなたの組織は、どのようにその要求に応えますか?


実践するドラッカー【事業編】』 
PART1 理論編 chapter2 顧客が事業である p34 #14


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サークル始めました♪
6月は、夕方の時間も設定してみます(*'ω'*)
ドラッカーの日 6月16日(水)朝6:00-7:00
        6月17日(木)17:15-18:15
        6月19日(土)朝6:00-7:00
「箱」の日   6月23日(水)朝6:00-7:00
        6月24日(木)17:15-18:15
        6月26日(土)朝6:00-7:00



実践するドラッカーシリーズは、膨大な数のドラッカー先生の言葉を選りすぐり、5つのテーマ別にまとめられた書籍です。
編著者の佐藤等先生は、札幌を中心に全国各地でドラッカーの書籍を中心に読書会を開催されてきました。
ドラッカー先生の言葉と佐藤先生の解説が1セット、そこかしこに「今のあなた」に必要な言葉が散りばめられています。
佐藤先生の解説は、ぜひそれぞれの書籍で確認してください(*^ω^*)
ここではわたしが感じたことをお伝えしていきます。
自ら考え、決定し、行動するあなたのためのドラッカー、一緒に探してみませんか?

【事業編】は、時間軸を意識し、自らを変革させていく姿勢と方法を習得するため、自らの事業を明確に定義するための補助線として書かれています。

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