映画『福田村事件』を観なければいけない理由

日本人なら観なければいけないと言いたい作品にたまに出会いますがこれが今のところ最重要かもしれないなと思った。

その理由として、この事件そのものは関東大震災という非日常の混乱の中で起こった悪夢ではありますが、そこに至る過程は大正時代の日本の各々の生活の日常的な視点で描かれており、時代性の中にある朝鮮ヘイトを浮き彫りにして危険性を訴えかけている内容である点。

1.関東大震災の最中での混乱　2.デマ　3.(植え付けられた)反朝鮮感情　これらが主にこの事件の遠因として挙げられている。

しかしこれはなにも震災のせいでもなければデマのせいでもなく、時代のせいではあるけれどそれだけではなく、普遍的な意識の中に原因があるわけで、それを改めて見つめ直して正していかなければこの先同じような事件は起こりうるという危機すら感じます。生まれ変わったはずの日本でも人々の意識まで完全に生まれ変わっているでしょうか。過去を掘り起こせばさまざまな出来事はありますが、明るい未来を築いていくためには、このような事件の本当の理由はどこにあったのか、しっかり突きつけてくる本作品は貴重な警鐘であると思います。

映画自体すばらしいキャスティングだなと思いました。全員が見事に適任。特にコムアイには魅力を感じましたね。