食べたら最悪死に至ることも!?ニラと間違えやすい花「スイセン」に注意
10名以上のライター達が更新しているマガジン「日刊かきあつめ」の、今回のテーマは「死」。
私は、ニラと間違いやすく、食べると最悪の場合死亡してしまう「スイセン」というお花をご紹介したいと思います。スイセンの毒性やニラとの見分け方についてまとめてみました。
ニラと間違えてスイセンを食べた60代男性が死亡
庭に生えているスイセンです。うーん、これをニラと間違えることってあるのかな?と正直思ってしまうのですが、花が咲いていない葉だけの状態だったらニラのように見えなくもないのかもしれません。
2016年の出来事です。北海道の60代男性が自宅敷地内に生えていたスイセンの葉をニラと勘違いして、油で炒めて食べてしまったそうです。3時間後に下痢・嘔吐などの症状が出て病院に救急搬送されましたが、帰らぬ人となりました。
死因は食中毒による多臓器不全です。
スイセンは、園芸植物として広く親しまれていますし、とても丈夫な性質なので空き地や公園など至る所に生えています。そんな身近な植物に、食べると下手したら死んでしまうほどの毒性があるってちょっと怖いですよね。
この男性の他にも、スイセンによる食中毒や死亡例は結構な頻度で起きているようです。
スイセンとは?
スイセンは、ユリ目ヒガンバナ科スイセン属の球根植物。植えっぱなしでも球根がどんどん増えていき、関東地方だと毎年3月ごろ白や黄色の花が咲きます。ただし、品種により開花時期はバラつきあり。
花がとてもキレイかつ、丈夫で育てやすいので、園芸植物として高い人気があります。球根・苗はホームセンターや園芸店で購入できます。
私の家の庭にもスイセンが生えていて、毎年春になると花を咲かせます。とても育てやすいお花なので、以前執筆した「初心者におすすめ!春に育てたい花5選」でもスイセンをピックアップしています。
園芸植物としてだけでなく、空き地や道路の割れ目に逞しく生えていたりもします。
スイセンの毒性
そんな日本人にとって、とても身近なスイセンの毒性はいかに。
スイセンには、球根・葉・花全ての部位に毒があり、特に毒成分が多いのは球根です。「リコリン (lycorine)」 「タゼチン (tazettine )」「ガランタミン(galanthamine)」などアルカロイド類とシュウ酸カルシウムの毒を持ちます。
万が一これらを口にしてしまった場合、悪心、嘔吐、下痢、流涎、発汗、頭痛、昏睡、低体温などの中毒症状が出ます。恐ろしい…。
嘔吐などで毒成分が体の外に出るので、多くは重篤な症状にはならないようですが、先ほどのニュースの例のように死に至ることもゼロではありません。
スイセンとニラの見分け方
花が咲いていれば、スイセンかニラか判断することは容易です。が、わかりにくいのは葉っぱですよね。
家庭菜園でニラを育てている近くに、スイセンがあって混同してしまうという事例が多いようです。また、なかには道の駅でニラとして販売されていたものがスイセンで、食べた人が中毒を起こしてしまったこともあるとか…。生産者の方が、ニラ畑の近くに生えていたスイセンを勘違いしてしまったのでしょうか。
危険な中毒を起こさないためにも、作る側も、食べる側もしっかりと見分ける必要がありますね。スイセンとニラの見分け方は大きく分けて2つあります。
①におい
スイセンの葉は、ニラのような独特の刺激臭はしません!ニラのにおいって強烈ですよね。ニラ臭がしない葉っぱは、怪しいなと思いましょう。
②葉・茎の太さ
スイセンの葉・茎のほうが、ニラと比べて太く大きい傾向にあります。いつも食べているニラの葉より、立派な葉だったら食べるのをやめておくのが賢明です。
スイセンとニラの違いについて、東京都薬用植物園のHPでわかりやすく紹介されています。迷ったときはチェックしてみてください。
怪しいと思ったら食べないのが吉!
スイセンの花、かわいい!
ご紹介したような方法で、ニラとスイセンは見分けられます。それでも、年に何件かは起こる勘違いによる事故。怪しいと思ったら食べないのが一番の防衛方法かもしれません。
スイセンの他にも、食べられる植物と混同しやすい身近な有毒植物はたくさんあります。
↑東京都福祉保健局のパンフレットがとても参考になりました。
人間にとって、食べると有毒なスイセンですが、キレイで逞しくて私は大好きな植物です!間違えて食べさえしなければ、決して危ない植物ではないので、毛嫌いせず、ぜひ栽培にもチャレンジしてみてください!
編集:アカ ヨシロウ
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