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嫌いなものは嫌いといえる犬の生き方を見て考えること

ライターマガジン「日刊かきあつめ」の今回のテーマは「#忘れられない先生」です。

幼稚園~大学までたくさんの先生と出会いましたが、振り返ってみて、特に記事にしたいと思えるような先生もいませんでした。そのため、テーマとはややズレるものの「犬の生き方から学ぶことって多いよな」と日頃感じている愛犬家が、犬を先生(お手本)にしたいと思うポイントについて述べます。

犬と人間を対比し、犬の生き様って良いよなと思う点は多いです。たとえば、「過去を振り返らない」「欲求・本能に正直」「家族を大切にしている」などなど…。

中でも「嫌いな犬(人)には嫌い、好きな犬(人)には好き」とハッキリ言える犬の姿勢はとても気持ちが良く、人間にはなかなか真似できないことではないでしょうか。それが当たり前のことであり、誰とでも仲良くする必要なんてないんだ、ということも犬はちゃんと理解しているのです。

幼稚園や小学校の頃から、先生や親に「皆と仲良くしなさい」「友達はたくさん作りなさい」と呪文のように言われながら育った私たち。「人を嫌いになる=悪」というイメージのもと、多数の人を好きになれて仲良くできる人が優れている人だという認識を少なからず持っていないでしょうか。

もちろん、職場やご近所さんなど、嫌でもある程度関わらなければならない関係では、お互いが不必要に不快な気持ちにならないよう配慮は大切です。

しかし、馬が合わない相手を好きになれるように努力したり、恐ろしいくらい本音と建前を使い分けたり、そこまでする必要はあるのかな…とも思うのです。

一方の犬は、散歩やドッグランなどで出会う犬・人を一目見て(一嗅ぎして)、好きか嫌いか判断できるようです。そして、合わないと判断した相手には、徹底的に無視したり、逃げたり、吠えたてたり、はたまた喧嘩を吹っかけたりして「嫌い!ヤダ!」とハッキリ示します

お互いの相性が良くないことがわかれば、それ以上無理に関わる必要もないし、極めて合理的です。決着をつけるために本気の喧嘩をする場合もあるけれど…。

大抵の犬とは仲良くできる超フレンドリーなワンコもいるにはいますが、本人は特にそれを得意に思っている様子はありません。むしろ、飼い主が「うちの子は誰とでも仲良くでいるんですよ~」と自慢げに語っている様子はよくみるのですが。

アメリカ人作家のスタインベックが、愛犬のプードル犬とトラックでアメリカを一周した紀行文『チャーリーとの旅』を読みました。人種差別問題に揺れる南部地方の現状を目の当たりにしたスタインベックは、チャーリーが、体格や犬種的にパートナーとしてはふさわしくない(と人間が思っている)犬に恋をしたエピソードをあげ、「犬は人をバカにしていると思うことがよくある」と同著内で語っています。

犬が、相手のことを好きか嫌いかを何で判断しているかはわかりません。におい・見た目・挙動・雰囲気など、きっといろいろな要素から本能的に判断しているのでしょう。

ヒトは、いつから本能に逆らって生きなければいけなくなったのでしょうか。本能で好き・嫌いを判断し、それを相手にハッキリと伝えられる犬がうらやましくてしょうがない、と一人間として常々感じています。

執筆:らいむ

編集:アカ ヨシロウ

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