中国で食材と戯る。(37) 鶏 -1
鶏を捌く。 2014.6
総合的な市場=菜场(ツァイチャン)は、街中なら大体3kmおきに1箇所ある。
どの市場でも、毎朝、朝締めの鶏が売り場の台に並ぶ。
生きた家禽類を檻に入れた状態で、その場で締めてくれる場所もあるが、屠鶏の鳥屋を備えた市場はそう多くはない( 衛生上のリスクもある)。
鶏を買うなら、朝が良い。市場の肉屋は基本冬も夏も、常温の屋台に並べ置くから。午後では鮮度が落ちている。
その日の分だけ買って、その日に食べる中国のいい習慣であり、2日3日家の冷蔵庫に置くことを考えていないのだ。20年変わらない光景。
味方を変えれば、売る方、買う方、共に冷蔵庫に在庫する概念がなく、省エネでもある。
酔っ払って明け方に帰った時や、朝まで起きていた時には、6時の開市時間に行って、新鮮なものを買ってよく料理したし、
コロナ禍では、店で扱う鶏肉の量が限られてきたので、毎朝鶏を買って、鮮度の良い状態で自宅の冷蔵庫に冷やし、午後の出勤時にそれを持って店に行った。
商売で使うのは、圧倒的にもも肉に偏る。なので、骨付きもも肉の冷凍を仕入れその骨を外して使うスタイルが長年であったが、自宅では丸鶏を使わない手は無い。
家庭で使う人たちへは、買い上げてから目の前で肉を叩いてくれる。
ナタのような包丁で 2、3 cmのにぶつ切りにする。それが普通。
私は声をかけ忘れて、何度も店で使う肉をぶつ切りにされかけた、いや、されたことも有る。
鶏唐揚げ
鶏の照焼き
鶏唐揚げ香味ソース
鶏と野菜のスープ
一羽の鶏、大体 2 kg 。600円ぐらいでこんなに楽しめたりする。
中国での食の豊かさは、日本とはまた違うところにあるということ。
鶏を捌く。 2015.11
この回は、親鳥か。手羽先、モモの皮目の模様がくっきりとしている。
2.5 kg オーバーと見た。内臓含め、肉の各部位が濃い色をしているのがわかる。
ワイルド ローストチキン
少し、しっかりとした噛みごたえを楽しめる。
鶏モツ MIX 唐揚げ
レバー、心臓、砂肝、ささみ、軟骨、せせり、ぼんじり、唐揚げの盛り合わせ。
鶏を捌く。 2019.6
上記とは少し年数が離れるが、意味がある。この時、家で食すのに、
雌の鶏を書いたかったのだが、小さいのが良いと言ったら雄に包丁を入れられていたのでそれを買って帰る。痩せてるなぁ。
サイズは大きくないのに、肉が親鳥のように赤いのがわかるだろうか、上記と同様のスタンダードな鶏なのだが、この年代あたりから、肉質が明らかに変わっている。。。
節々に見える、黄色い脂肪、レバーもやや明るい色のフォアグラ寄り脂肪肝。
肉は、若鶏同様の柔らかい肉、しかし一定の弾力もある、肉は色同様 若干の風味を感じる、砂肝は火入れしても柔らかく歯切れが良い、鶏ガラは若い痩せた雄鶏とは思えないような豊かな味が出る。どういうこと?
進化しているのは養殖の魚だけでないということか。
明らかに餌を含め、育て方に改善があったNEWヴァージョンのようだ。早く大きく育てるを優先してきた養鶏から、” 欲しい質に作り変える ”をやってのけたような激変ぶり。
スモークチキン ( 蜂蜜入り幽庵焼き )
日本帰国後に、日本の普通のスーパーで買う肉もいじられすぎ感のあるものばかりになっていると気づく。この時代の食べ物なんだな。人間の都合でいじって本質的な味からはどんどん遠くなってるのは残念だとも思ったり。
以上
▼ 記事追加しました。
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?