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中国で食材と戯る。(32) 鰻-3   -2021-

私が中国という国、土地で扱ってきた食材たち )
ある時は店の為、ある時は自分の食事・好奇心の為。
ある時は、海外からの輸入物、日本からの輸入物、もちろん現地の魚、肉、野菜。
ある時は ”試行と錯誤”、ある時は ”創意と工夫”、そんなこんなで続けてきた、自身の調理と撮影。
仕事であり、趣味であり、日常であった 私のライフワークアーカイブです。

寄稿にあたっての自身のコメント   


鰻を捌く。                      2021.

 コロナ発生後の営業スタイルで辿り着いた、2020年からの自家製蒲焼きへの取り組みも、早いもので1年。
割くこと、串を打つこと、焼くこと、それぞれ鰻専門の職人達は相応の年数をかけて会得していくもの。

 日本で、穴子や鰻の扱いを手ほどきしてくれた師はいたが、随分と時は経つし、場数が足りない。中国では己と向き合い、材料と向き合うのみ。
ただ一人、違いを確かめ、考えながら黙々と継続しそれを研鑽していく。


今、振り返り自分の仕事の写真を見ていると成長の跡が、ハッキリと見えます。

多少、綺麗な割きになってきた。


 割きの良し悪しは、焼き上がり時にハッキリと姿を表します。
そして、自家製のタレもずっと深みのある味になってきている。

身に厚みがあり、脂もあるのでタレも容易に染みない。仕込みの段階でタレ焼きにしておき、味を馴染ませておく。
提供前に、蒸してタレ焼きにする独自のスタイル。

これはクレーム。

 デカ過ぎる、約700g / 尾。 しかし、問題なのは鮮度の方。
いつも氷締めする前に動き回る鰻に一刀入れておくのですがこの1尾だけはこの時点で無反応。返却です。

業者自体が、自分達で出資している料理屋があったりするので、ウチで使えないと言ってもすぐに引き取って処理してくれるし、交換できることもある。


 誰が言ったか、” 素材が師匠 "。材料との対話が、扱いを覚えさせてくれます。
皮や肝などの副産物も使い切ります。



割きだけで無く、串打ちもよくなってきている様子。
焼き上がりがピンとまっすぐに。。。

 鰻の旬は実は、冬場らしい
養殖、温水育ちならわからないが、鰻というもの、冬に脂肪を蓄えるのだとか。
実際にこの写真は、夏天の撮影だが、明らかに上記の冬のモノより脂が無いのが見て取れる。。。

仕込みを終え、焼き上がり一番の極上賄いメシ。
尾の方と肝だが贅沢な一品。

北海道で料理をした私は、背中から鰻を割く関東風( 生まれは大阪やけど )。
この賄いは、焼いて蒸していない関西風。。。


                    
    ▼   骨を焼いて " 鰻の骨酒 "


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