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そばにいますのソバニイマスク

感覚過敏というつらさ

マスクをつける日常に、なんとなくみんなが慣れてきたなあと思っていたある日のこと。いや、とんでもない、マスクをつける日常にひどく困っている人がいるんだよ、ってそんなことを知りました。

わたしの友人には自閉症の娘さんがいます。その娘さん、マスクをつけるのをイヤがっているのだそう。もともと肌感覚が敏感で、洋服の生地が擦れるのが苦手な彼女は、制服のブラウスは年中半袖で通します。特に腕が擦れるのがイヤなので、長袖を着たくない。とはいっても風邪をひいたら大変です。わたしの友人は冬になったらブレザーやコートは着るもんなんだよと、小さいころからずっと教えてきたそうです。

そんな肌感覚の敏感な彼女のことですから、マスクがとてもつらいんだそう。しかし、コロナ禍の今、外出時はいつでも、毎日の学校にも、マスクをしていかないといけません。そんな彼女の困りごとをきっかけに、感覚過敏という症状でマスクがつけられない人がおられることを知りました。症状はさまざまで程度もさまざま。まずは「知る」そして「理解する」ということから支援は始まるのだと思います。

わたしはよだれを受け止めるスタイチュニックを作る際、ずいぶんと生地の素材選びをしてきました。そのため、あ、この生地だったら薄くて息がしやすくて、羽のような心地よいマスクになるんじゃないかなと思う素材がありました。試しに作ってみよう!イヤがらずに使ってもらえるかな、笑顔で学校につけて行ってくれるかな。

学校で自慢しちゃうほど

数日後、お母さんからLINEがきました。こだわりの強い彼女がつけて第一声、「苦しくなーい!」^^

朝から鼻まですっぽりマスクをつけて学校に行けました。学校では先生や友だちに自慢するほどでした。お母さんも喜んでくれました。感覚過敏の人みんなに使ってもらえるとは限らないけど、わたしのできることで、毎日が暮らしやすく笑顔になってくれる人がひとりでもいれば、わたしもパワーが湧いてきます。ひとりの笑顔がご家族に広がって、その笑顔の輪がぐんぐん広がっていくといいなと思います。そして、マスクがつらいあなたの「そばにいます」という気持ちで「ソバニイマスク」と名前をつけました。真剣に考えた名前だけど、なんか笑ってしまう^^、そんなところも親しみがわいてくるんですよ。

困りごとに価値がある

世の中にはおしゃれなマスクがたくさんあります。だけど、感覚過敏の人を想って作るマスクには目に見えない価値があると考えています。今その価値は一般の人にもわかってもらえるようになってきました。特に過敏なわけではないけど、肌にやさしく息苦しさを感じにくい楽なものが欲しい方に選ばれています。

例えば、介護のお仕事で入浴介助というお風呂内でのお仕事があります。蒸し暑いお風呂場の中で、感染予防のためマスクをつけて汗をかきながらがんばってくださっています。普段の日常生活では他のマスクで平気な人でも、状況によっては敏感になって、息苦しさを感じる場合があります。そうか、ソバニイマスクは垣根なく、どんな人にも役立ってくれるのだなあと気づきました。

こんな様子を目の当たりにするうちに、病気や障がいのある人の困りごとを考えてモノづくりをすると、幅広く多くの人に役立つモノができるんだと実感するようになりました。ということは、困りごとをがまんしないでどんどん打ち明けていくことで、それを解消できる素敵なモノを考え作ることで、世の中に笑顔があふれていくんだと思うようになりました。

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