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ピボット・ストラテジー ~DXの本質~

写真は、2019-2020年度女子バスケットボールトップリーグ
(Wリーグ)開幕戦の看板。残念ながらコロナ禍で途中中断と
なってしまった。
https://www.wjbl.org/pc_index_html

本日のお題は、バスケットボールの重要な動作である「ピボット」
をタイトルに冠したビジネス書のご紹介。現在、IT業界で最も重要視
されているであろう、「DX」(デジタルトランスフォーメーション)
の本質をこれほど的確に捉えた書籍は他にないと考える。

まずその内容の深さ。
著者はアクセンチュアの上級幹部3名。アクセンチュアは、破綻した
巨大監査会社、アーサーアンダーセンのコンサルティング部門が
分社し、現在はシステムインテグレータとしてもメキメキ頭角を
現してきた。その背景や取り組みを、「こんなに公開して良いの?」、
というくらい説明している。恐らく表面的な真似をしても、追い
ついて来れまい、という自信があるのだろう。

次に先見の明。
アクセンチュアは、今日のような技術革新の波が来ることを早い
段階で予期し、その波に乗れる企業と乗り遅れる企業とで圧倒的
な差が生まれることに気付いた。自社のスタイルがこのままでは
通用しなくなる、それならばどうすべきか、という戦略を徹底的
に自社にあてはめて、考え抜いた結果が本書に集約されている。

さらにその戦略の賢さ。
詳細は読んでいただくしかないが、一つ例を挙げれば、以下の通り。
・技術革新により顧客の潜在的収益価値が解放される
・その解放された価値を顧客とシェアできる企業が生き残る
・対象は過去の事業、現在の事業、未来の事業、全て
難しいようだが、アマゾン(ネット通販)とバーンズアンドノーブル
(実店舗書店)との比較を考えれば理解しやすい。一昔前、
消費者は、少し手に入れにくい書籍は実店舗をハシゴして何とか
入手できたり、あるいはどこに言っても見つからない状況が
当たり前であった。しかし、アマゾンはインターネットでの
ネット販売で、自宅に居ながら容易に1クリックで入手できる
手段を提供し、潜在的収益価値を解放。その価値を顧客とともに
シェアすることにより市場を席捲した。

アクセンチュアは、この潜在的収益価値を解放することをDXと
定義し、既存事業に軸足をおきながら賢い転換をすることをピボット・
ストラテジーとして自社でまず画期的な戦略として成功させ、
そのノウハウを持って顧客開拓している。本書はビジネス書と
してはベストセラーになっていないようであるが、私が読んだ
ビジネス書としての価値は1、2位を争う内容である。ビジネスマン、
特に戦略部門や経営層には是非お勧めしたい。

お茶うがいの輪を広げてコロナを収束させたい!
https://note.com/from_free/n/n406bc5302094
https://note.com/from_free/n/n98097eb72720


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