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エッセイ

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エレベーター・やさしい人(中島みゆきの歌によせて)・分身の術など あれこれ
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2022年4月の記事一覧

カツオの気持ち(内視鏡検査)

カツオの気持ち(内視鏡検査)

胃の内視鏡検査を受けました。もう何年も通っている胃腸科病院で。
胃腸の弱いわたしは、すぐ胃がムカムカしたり、重くなったり、痛くなったり、ひどいときは食べられなくなる。最近はムカムカどまりですが、胃腸科の先生から、「胃は定期的に調べておいた方がいいですよ。万一悪いものが見つかっても早く手を打てば直る。でも、発見が遅れると、胃の場合は進行が早いですから」と言われ、1年1回を目標に検査を受けているのです

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惜しみなく愛は奪う

惜しみなく愛は奪う

 20年も前に熱心に読んだ本だ。読み直してみるとなかなか難解ですんなり頭に入らない。文字の上を行ったり来たり、まるでアプト式の電車がジグザグと山を登っていくようになんとか読み進んだ。

 これは、有島武郎の著した愛の本質についての論文である。愛は与えるもの、という通説の逆をついた書名は多くの人を引き付けた。20年前の私もたぶん、題名から読んでみようと思ったに違いない。だがこの本は難しく、読み進んで

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コンスタンチン君を救え      (2000年放送NHKプロジェクトXより)

コンスタンチン君を救え      (2000年放送NHKプロジェクトXより)

 コンスタンチン君はサハリンに住む3歳の男の子、母親が洗濯用に沸かした100℃近いお湯の入ったバケツにお尻から落ち、全身の90パーセントにやけどを負ってしまった。サハリンの病院で70時間の命と診断されたが、専門医もいなく、手のほどこしようがなく見守るだけ・・・家族は医療の進んだ日本での治療に最後の望みをかけた。
 サハリンに住む日本人から、北海道庁に救急依頼の電話があり、外務省にその知らせは届いた

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なんでわかるの?

なんでわかるの?

 グーグルで調べたり、アマゾンで買い物をすると、次にパソコンを開いたとき、それに関連した商品の案内がズラリと表れ、びっくりしたり、煩わしかったりすることありませんか?

 冷蔵庫の具合が悪く、買い変えようかと迷ったとき、あれこれ調べたら、次開いたパソコン上には冷蔵庫がズラリ表れて
「さあ、買え!それ買え!」と威圧しているようでぞっとしたものでした。

 わたしが調べたもの、買ったものがどこから漏れ

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友がみな我よりえらく見える日は

友がみな我よりえらく見える日は

 これは、わたしの愛読書の題名である。上原隆(エッセイスト・コラムニスト)が、様々な境遇にいる人から話を聴き、それを書き溜めたもので、12話が収められている。あとがきを読むと、内容がよくわかる。

 収められている12話は、どれも淡々と書かれているが、暗く、悲惨といってもいい。誰にもおこる可能性があることばかりで、より恐ろしい。でも、これが「生きる」ということだ。こんな事態になっても生きていくしか

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缶・缶 エヴリバディ

缶・缶 エヴリバディ

友達が、可愛い缶に入った、チョコレートとクッキーを送ってくれました。思わず見入ってしまうような魅力的な缶…そういえば、我が家には大事に
とってあるいろんな缶がありました。そのご紹介です。

ここからは、送られてきた野の花です。

 
          おわり

タイトルはご存じNHK朝ドラ Come Come Everybody をもじったものです。(≧▽≦)

春憂いATMがとがめ顔

春憂いATMがとがめ顔

お金をおろすのと、送金のため、銀行に行った。
ATMというのは、どうも苦手。やり方は簡単だし、困ることもないのだが、なにかドキドキする。特に父の通帳からおろすときは、「それ、あんたの通帳じゃないだろ」と機械に囁かれているような気分になる。カメラがどこかにあるんだろうな、と思うけれど、見あげたら目が合うといやなので、うつむいてくら~~く下ろす。下ろしたお金はすぐリュックにしまい、さりげなく振り返って

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心配性

心配性

 私は心配性だ。一つ気になることがあるとどんどん想像が広がり、収拾がつかなくなる。母も心配性で「いろんなこと心配してきたけど、歳とってきたら、もう直ったわ」と言っていたが、あれは嘘だ。亡くなった母の歳を超えても、わたしは相変わらず心配性だからだ。心配性というものは歳をとれば治る、と私を安心させたかったから、母はあんなことを言ったのだ、と思う。
 確かにいろいろな経験を経て、以前ならもっと大事に思え

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