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小説

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あまり長いものはありません。あなたにも同じような経験があるかも? 世にも奇妙な物語風のものも。
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記事一覧

手紙には

手紙には心揺さぶられる。今までいろいろな手紙を受け取ったが一番印象に残っているのは、Mか…

チズ
2週間前
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梅の花#シロクマ文芸部

梅の花を見ると叔母を思い出す。梅の花が大好きで、梅模様の着物を何枚も持っていたから。叔母…

チズ
5か月前
148

青写真#シロクマ文芸部

 青写真を描いていた。30歳までに結婚、子どもは2人、幸せな家庭を築くと。しかし実際は職場…

チズ
5か月前
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危険な恋 #シロクマ文芸部

 新しい恋に落ちた。相手は15歳年下の素敵な男。澄んだいたずらっぽい瞳、ちょっとデカダンで…

チズ
6か月前
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最後の日 #シロクマ文芸部

最後の日は今日かもしれない・・・シンデレラはベッドに横たわり、窓の外に遥かに広がる冬空を…

チズ
6か月前
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紅葉鳥 #シロクマ文芸部

紅葉鳥さん・・・ そう呼ばれたよなうな気がして見上げると、真っ赤に色づいた紅葉の葉が僕を…

チズ
8か月前
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箱たちの話#シロクマ文芸部

 りんご箱は自慢げに言った。  「僕がいるからりんごたちを遠くまで運ぶことができるんだ。日本全国 いや、外国にだってね」  その声を聞きつけて赤い箱がトコトコとやって来た。  「僕がいるから、みんなの手紙が遠い相手にも届くんだよ。ほらこうして口を開けて立っているからね」ポストは、にっと口を横に開いて見せた。  「あらわたしがいるからお茶がしっけずに運べるのよ。お茶を使いきった後は、衣装箱にも使えるの。お茶には殺菌作用があるからよ」 内側に貼られた銀色のステンレスを光らせな

小諸の旅 #シロクマ文芸部

秋桜の丈まで霧が降りてくると小諸は秋だ。 恋人まゆとのたった一度だけの旅、それはこんな秋…

チズ
9か月前
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水晶体 #シロクマ文芸部

月めくり、祖母はカレンダーのことをそう呼んでいた。月が変わると、祖母の手で今までのページ…

チズ
9か月前
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俺の歌#青ブラ文学部

俺はミュージシャン。売れてないしもう若くはないけど、夢は諦めてない。 今日は俺の歌紹介す…

チズ
10か月前
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文化祭

文化祭の花形といえば、間違いなく私たちの演劇部、忘れられない思い出は、菊池寛の「父帰る」…

チズ
10か月前
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【曲からストーリー】泳げたいやきくん

大学生の娘がアルバイトを始めた。駅前スーパーのたい焼き店が勤務場所だ。 前にもハンバーガ…

チズ
11か月前
94

犯人は誰だ!

大富豪綾小路冨麻呂が殺された、という一報が入ったのは8月16日の早朝6時だった。住み込みの家…

チズ
11か月前
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文芸部

文芸部卒業合宿は、私が女子大3年の夏、箱根塔ノ沢の宿で行った。この合宿で4年生は引退し、私達3年生が中心になる、いわば引継ぎの合宿だった。 参加した部員は11名、それぞれの作品を持ち寄って批評しあう形式だったが、「怖い話」を用意する、という余興を私達3年生が提案、最終日の夜に実行することになった。実行委員になった私は、小道具として人数分のろうそくを用意した。小さいガラスのコップに入った赤いろうそくを灯して各自の前に置き、話し終ったら消す。全員の話が終わると部屋は真っ暗になり