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金融資産の運用 ライフプランの視点から見た3つのスタイル(2) つみたて投資

前回の記事「金融資産の運用 ライフプランの視点から見た3つのスタイル(1)」で、代表的な運用スタイルとして「タイミング投資」を考えてみました。

今回はその続き。2つ目のスタイル「つみたて投資」です。

つみたて投資と言えば、新NISAでもよく言われる「長期・分散・積立」の投資スタイル。

これは、ライフプランと、とても相性が良いです。

何故なら、積み立て額の推移を予想して、キャッシュフロー表などに落とし込むことができるからです。

例えば、毎月1万円を積み立てて、年率3%、5%、7%それぞれ20年間運用ができたなら、どのぐらいの金融資産を作れるか、といったことを、表やグラフで示すことが容易です。

毎月1万円積み立て20年間運用



また、2,000万円という目標額を、20年間で実現させるには、毎月どのくらいの金額を投資に回せば良いか、どのくらいの運用利回りが必要か、といったこともおおよそ分かります。

20年間で2000万円を実現するために必要な毎月の積立額

それが、家計の収支の中から無理のない範囲でできる額なのか、といったこともなども把握できるでしょう。

安値を買って高値で売ることを狙った「タイミング投資」では不確実性が高く、このようなアプローチには不向きです。

◇  ◇  ◇


ところで、株式を「長期で積み立てていく」ことが、どうしてリターンを生むことにつながるのでしょうか?


ここに2つの数字があります。

1つは世界GDPの名目額。もう一つは世界株式の時価総額

この2つは連動しています。

例えば、
2000年末の世界GDPの名目額は33.9兆ドルでした。
これが、2022年末には100兆ドルを超えました。
実に3倍。

一方の、世界株式の時価総額は、2000年末時点で30兆ドル。
これが、2022年末には101兆ドルとなりました。
こちらも3倍(3.4倍)

株価の伸びは経済の成長を反映しています。

この間、複利ベースで年率換算してみると、GDPも株式時価総額も、年率5%半ばで増えていた計算になります。

世界名目GDPと世界株式時価総額の比較

つみたて投資は、この「経済の成長」を長期にわたって取りに行くもの、といえそうです。

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では、「経済の成長」はずっと続いていくと考えて良いでしょうか。

経済の成長は、人間が本来持っている「好奇心や創造性」、「競争心や利己心」、「欲望」などを原動力としているといわれます。

これは、いわば人間の本能

好奇心や創造する力が技術革新を生み、競争心や利己心・欲望などが、企業の収益を拡大させている。

このように考えると、人間が「人間」である限り、成長していきたいという願望に支えられ、経済の成長は続いていきそうです(株価の上昇も続いていく)。

ただし、そのまま突っ走ると自己破壊につながる恐れ(環境問題などはそのひとつ)があるので、そこはコントロールが必要ですが。(持続可能性の維持)

【結論】
つみたて投資のリターンの源泉は、まさに人間の「成長していきたい」という願望。
つみたて投資は 長期的には経済は成長し、株価は上昇していく、ということを前提としている。

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