難病になってしまった父親と息子の野球を通じた友情を描いています ②

「最後のドライブ」

若気の至りで 高校を中退した俺は
都立篠崎高校で 2度目の入学式を
迎えようとしていた

入学式前 理由は忘れたけど
父親の運転する タクシーで
篠崎高校までドライブした

俺は父親の運転が 最近ふらふらしてるなと
感じだしていた

篠崎高校の近くに着くと
父親が不安げな顔で
イライラしているようにも感じた

父親との最後のドライブ

この助手席に乗って 何度バッティングセンターに行った事か   

子供の頃からの日常が終わりを告げた日     

助手席から見える桜はつぼみで

いっぱいだった。


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