エンジニア系とクリエイター系、フリーランスでもこんなに違う!〜データで読み解く、職種により異なるフリーランスの実態〜
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エンジニア系とクリエイター系、フリーランスでもこんなに違う!〜データで読み解く、職種により異なるフリーランスの実態〜

”一般的なフリーランス”ってだれ?

「フリーランスという言葉は、実に玉虫色な表現である」

フリーランス協会が初めて公表したフリーランス当事者団体による実態調査『フリーランス白書2018』の中で、代表の平田が記した言葉です。

”一般的な会社員”という言葉は、ある程度イメージがわくかもしれません。

しかし、”一般的なフリーランス”と言ったとき、いったいどんな人をイメージするでしょうか。もしかしたら、フリーランス当事者の間でも共通イメージを持つのが難しいかもしれません。

「自分」を軸に自律的に働くフリーランスだからこそ、同じフリーランスといっても、働くことに求めるものは百人百通りです。ですが、専門性の違いで実態が大きく異なることは、意外と知られていないのかもしれません。

今回は、2021年3月に公表した『フリーランス白書2021』(PDFリンク)の調査結果を基に、フリーランス協会の一般会員数の多いエンジニア系フリーランスとクリエイター系フリーランスの違いを分析してみたいと思います。

エンジニア系は月間140時間以上就業が7割

まず2つの職種の、1ヶ月の平均就業時間についてみましょう。(図1)

エンジニア系フリーランスの月間平均就業時間は、140時間以上が7割という結果でした。エンジニア系フリーランスは、会社員と同等かそれ以上の時間を業務に使っているということがわかります。

一方、クリエイター系フリーランスについてみると、月間平均就業時間が140時間以上と回答したのは、全体の約半数でした。クリエイター系フリーランスは働く時間をコントロールしながらライフワークバランスを保った働き方をしているようです。

<図1 職種別月間平均就業時間>

2021_0930_第3回はくしょのじかん_図1

クリエイター系は業務内容のすり合わせに不安を感じがち

つぎに、仕事の見つけ方についての違いをみましょう。

エンジニア系フリーランス、クリエイター系フリーランスとも、仕事の獲得経路としてもっとも多いのは、「人脈(知人の紹介含む)」でした。フリーランスにおいて、人脈形成は職種を問わず大事であるということがわかります。(図2)

さらに第2位の項目をみると、エンジニア系フリーランスは、「過去・現在の取引先」と「エージェントサービスの利用」が同数で並んでいます。(49.3%/n=37)

特に「エージェントサービスの利用」については、クリエイター系フリーランスと大きく差がある事がわかるのではないでしょうか。

<図2 職種別仕事獲得手段 ※複数回答>

2021_0930_第3回はくしょのじかん_図2_横棒グラフ

エンジニア系フリーランスがエージェントサービスを利用する理由として、案件を探したり、契約したりの手間暇削減や契約トラブルなどのリスク回避など、案件獲得から契約までの工数削減が考えられます。

一方、クリエイター系フリーランスがエージェントサービスをあまり利用しない理由としては、人脈や現在・過去の取引先からの受注でリソースが埋まってしまうということに加えて、業務内容のすり合わせや業務フローの理解にかかる工数を不安視しているようです。

行う業務の特性によって、適した獲得手段も変わってくるのかもしれません。

エンジニアは収入重視、クリエイターはワークライフバランス重視

では2つの職種のフリーランスは、なぜ今のフリーランスという働き方を始めたのでしょうか。

エンジニア系フリーランスは、クリエイター系フリーランスに対し、「収入を増やすため」の回答が多いことがわかります。(図3)自身のスキルを最大化する働き方によって、エンジニア系フリーランスは収入が増える道筋が見えやすいのかもしれません。

<図3 職種別今の働き方を選んだ理由 ※複数回答>

2021_0930_第3回はくしょのじかん_図3_横棒グラフ

クリエイター系フリーランスはエンジニア系フリーランスに対し、「収入がなかなか安定しない」という回答が多いことがわかります。(図4)エージェントを介さず、人脈で仕事を獲得しているため、仕事量の波が激しいのかもしれません。

<図4 職種別今の働き方の課題 ※複数回答>

2021_0930_第3回はくしょのじかん_図4_横棒グラフ

職種で大きく異なる実態 課題の幅を考慮した対策を

今回の結果は、『フリーランス白書2021』の回答データをもとに2つの職種についての違いを分析したものになりますので、すべてのエンジニア系フリーランスとクリエイター系フリーランスにあてはまるものではありませんが、ひとくちにフリーランスといっても、その業務実態や仕事の獲得方法、抱える課題についても様々であることがわかりました。

エンジニア系フリーランスは会社員と同等かそれ以上に稼働時間を確保し、エージェントを活用しながら収入を上げているようですが、ネットワークを広げる機会の不足などの課題があるようです。

クリエイター系フリーランスはライフワークバランスを取りながら、自分のスキルと人脈を生かして仕事をしている一方、収入が安定しないということが課題となっているということがわかりました。
 
フリーランスに対する制度や対応を検討する際は、その違いを考慮することが必要であるのではないでしょうか。

調査概要
調査期間:2020年12月23日~2021年1月25日
調査方法:インターネット調査(フリーランス協会のメルマガ、SNS を通じた呼びかけ)
有効回答数:733名 (うち フリーランス・パラレルキャリア活動者 715名)
寄稿者プロフィール
後藤 潤子(フリーランス協会 調査・白書プロジェクトリーダー)
化粧品メーカー・インターネットメディアでオフライン&オンラインのマーケティング活動に従事。会社員歴22年を経て起業し、フリーランスのマーケターとして活動しています。2019年春よりフリーランス協会事務局にて、調査業務に従事。地域の学習支援NPOの代表も務める5児(5~20歳)の母。https://www.facebook.com/n1marketing2018

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