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ワーケーションを「自分を見つめる旅」にする!〜「デンマークでワーケーションやってみた」イベントレポート〜

「日本各地や世界を巡りながら働けたらいいなあ」

そんなことを考えていた私の目に、「ワーク(仕事)」と「バケーション(休暇)」を組み合わせた新しい働き方「ワーケーション」が飛び込んできました。現在は、新型コロナウイルス(以下、新型コロナ)の影響で国内外問わず身動きがとりづらい地域もありますが、場所にとらわれない働き方が広がれば、アフターコロナの時代に海外で働くことも夢ではありません!

そこで実際に海外でワーケーションを体験した人のお話を伺うべく、2020年11月19日(木)に開催されたオンラインイベント「デンマークでワーケーションやってみた」に参加してきました!

デンマークでワーケーションやってみた

出典元:https://peatix.com/event/1709519

海外ワーケーション中にコロナ禍に直面

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「デンマークに行く前と後で変わったのは、自分ではなく世の中の方でした」

そう語るのは、今回のイベントの登壇者で、ワーキングホリデービザを使って1年間デンマークに滞在していたVIコンサルティングの山口みどりさんです。

同社では全社員がリモート勤務を行っているそうです。チャットツールやオンライン会議ツールなどを活用し、文字と顔が見える状態でのコミュニケーションを大切にしているよう。山口さんのワーケーションについても、同社の代表取締役社長を務める郷田郁子さんは「山口さんは人が見ていなくても自律的に仕事ができる人だったので、どこへいても仕事ができるだろうという信頼があった」と話します。

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山口さんは、自身のワーケーション生活を、「ホリデー90%:ワーク10%のワーケーション生活」と説明しました。山口さんのデンマーク生活では、「ワーク」は1日1〜2時間、最大4時間程度。バケーションとしては、語学学校に通ったり、小学校の頃から続けているバレエの教室に通ったりしていたのだとか。

とはいえ、新型コロナが流行し始め、デンマークがロックダウンされた時期には、デンマークの企業のインターンシップもやってみることにしたそうです。日本とデンマークの2つの企業で、ともにフルリモートで働いていたというわけです。驚きですね!

デンマークでは2020年3月14日の正午から国境が封鎖され、公共施設や娯楽施設が閉鎖しました。日本からは、デンマークにいる山口さんを心配する連絡がたくさん届いていたそうですが、「娯楽がなくなり、バレエのレッスンに行けなくなったことを除けば、民間企業の自宅待機(在宅勤務)や自転車通勤が推奨されていたこともあり、意外と落ち着いていました」と山口さんは言います。

山口さんは同年7月に帰国しましたが、今でもVIコンサルティングとデンマーク企業の両方で仕事を続けています。

新型コロナの流行により、日本国内でもテレワークやリモートワークが急激に広まりました。2019年からデンマークにいた山口さんにとっては、「日本にリモートワークが浸透する1年前から(リモート中心の生活を)やっていた感じ」だったとか。日本に帰国した際、リモートワークができる体制が整い、1年前よりリモートワークに取り組みやすくなっていたことが、自身の変化よりも大きく感じられたようです。

ワーケーションが向いているのは「自分で決められる人」

イベント参加者からまず質問が挙がったのは「デンマークと日本の仕事の違い」についてでした。しかし山口さんは「『デンマークだから』『日本だから』といった違いは感じられなかった」と言います。

「どちらの仕事においてもコミュニケーションが大事だと実感しました。デンマークでは、一緒に働く人と顔を合わせる機会がないまま、リモートワークが始まったため、最初は誰と仕事をしているのか分からず、コミュニケーションがとりにくかった」(山口さん)。新型コロナが落ち着いてきた頃に同僚と顔を合わせてからは、仕事が円滑に進んだそうです。

国や場所、働き方よりも、コミュニケーションが取れるかどうかが重要なのですね。

山口さんは“ワーケーションに向いている人”について「(時間の配分を)自分できちんと決められる人」だと言います。

ワーケーションの難点として「休んでいるときも仕事が頭の片隅を占めることがある」と山口さんは指摘し、ワーケーションの仕事と休暇のバランスは、その人の心持ち次第で変わると話しました。仕事が忙しい時期はどうしても仕事のことを考えてしまうようで、「休んでいても仕事のことを考えてしまうのはいい状態なのか悪い状態なのか分からない」(山口さん)。

持っている時間を仕事に割り振るのか、それとも休暇とするのを、自分の軸で判断して決められる人が向いているというわけですね。

ワーケーションは自分を見つめ直す旅

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デンマークでのワーケーション生活について、「1年間ゆっくりした時間を取ったので、これからどうするかを立ち止まって考える時間になりました」という山口さん。

スイスの全寮制日本人学校へ行くことになった高校時代や大学進学、彼女は大好きなバレエを続けるために就職活動はせず、通っていたバレエ教室のアシスタントとアルバイトで生計を立てていました。

人生の転機となる場面で、迷いがあれば一度立ち止まり、やりたいことを見つめ直し、自らの気持ちに正直になることができるような選択をしてきた山口さん。働き方の自由度が増すことで、自分の進路に悩んでいる人が少なくありません。彼女のような生き方は、そうした人たちの指針になるのかもしれません。

片山香帆
東京都在住のライター・画家。特技であり好きなことでもある「書くこと」とを活かし、2016年からライター活動を開始。翌年からはもうひとつの好きなこと「描くこと」を活かして、画家としても活動中。
Twitter:@Kho_TOKYO
Instagram:@kho_k0123

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