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Workaway ネパール農村滞在記 vol.10【ファッション事情】

10. ファッション事情 

10-1. ネパール人とファッション 
10-2. 新旧ミックス 
10-3. 装飾品 
10-4. 高齢女性 
10-5. 若い男性 
10-6. ベビー服 
10-7. 温度調節の不思議 
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10. ネパールのファッション事情

10-1. ネパール人とファッション

ネパールの服飾文化は、見ていて非常に楽しく、いつも気持ちを明るくしてくれた。

市街地、山間地ともに、近代的な「洋服」スタイルの人と、サリーなど布を巻き付けるタイプやゆったりしたパンツなどの民族衣装スタイルの人が入り混じっていた。
さらには両方をミックスしたスタイルの人も多く、非常にバリエーション豊かだ。
ネパールの人々のほとんどは、食生活(菜食)のせいか日本人以上に細身なのだが、小顔で全体のバランスがよく、中高年でもしゅっとした感じの人が多かった。
実際、バス旅のハイライトは、出入りが激しい乗客たちのファッションチェックだった。

民族ごとにある程度の基本的な服飾スタイルはあるが、生地の色柄の種類が非常に豊か。
山間のバザールでも、仕立て屋さんが数軒はあるし、雑貨店には100種類を優に超える種類の布地が売っている。

色は、どの民族でも、圧倒的に赤系が好まれる傾向のようだ。
ただ「赤系」と言っても色々で、明るいピンクもあれば真紅もあり、バリエーションはとても多い。
特に女性は、上衣・腰回り・下衣で異なる布地を纏っていることも多く、
それが絶妙なバランスで美しい。

男性も衣服にこだわりを感じる人が多かった。
若い男性はおしゃれな人が本当に多かったし、高齢者でも清潔感あるきれいな服装の方が多かった。

畑仕事をしている人も、家でのんびりしている人も、長距離を歩いて移動している人も、見かける人のほとんどが、小ぎれいな身なりをしていた。
それどころか、多くの人が、常にアクセサリーを身にまとい、一張羅では?とすら思えるような派手な柄や刺繍の服を着ていて、まるで「これからTVの撮影でも来るのか?」と思ってしまうほどだった。

スタイルに関しては、流行を追っている感じは見受けられず、各自が自己表現として服装を選んでいるように見えた。

10-2. 新旧ミックス

全ての年齢層・男女ともに、新旧のスタイルを自然な形でミックスしていたのが特徴的だった。

冬だったので、ほとんどの人はジャケットかフリースを着ていた。
ウール素材はほとんど見かけず、ほとんどは化学繊維のスポーツブランド、アウトドアブランドのスタイル。
ネパールでは「North Face」がものすごい人気で、偽物が大量に出回っている。
他にも「Addidas」「Nike」をはじめ、聞いたことのないブランド名も多数。
偽物というとマイナスイメージしかなかったのだが、ネパールで見かける製品は見るからに素材も縫製もしっかりしていて、デザインや色も、本物以上に良質なのでは?と思えるものが多かった。

細身のシルエットのダウン(ユニクロの、ウルトラライトダウンのような感じ)を着ている人が、老若男女問わず圧倒的。
North Face の黒が多かったが、見かけるものはデザインも微妙に異なり、何よりアクセサリ(特にストールやハット)やボトムズが各自個性的なので、全く同じ服装をしている人に出逢うことはなかったように思う。

10-3. 装飾品

特筆すべきは、女性のストールの使い方だ。
かなり大判のストールを、本当に色々な巻き方で頭や肩回りに巻く。
頭から肩までを広く覆う人もいれば、頭頂部だけを覆って、後頭部でポニーテールのようにまとめる人も。

ストールの色柄はもちろん、材質や形、フリンジのパターンなども本当に種類が豊富。
見知らぬ人の写真を撮るのは気が引けて、写真を撮らなかったのが悔やまれる。

特に高齢の女性で、数珠のような木の実や石を使ったアクセサリをたくさん身にまとっている方が多かった。ネックレス、ピアス、指輪、腕輪など。

特に中高年男性では、パワーストーンのようなキレイな色の石の指輪をした方が多かった。

中年男性といえば、「トピー」と呼ばれる帽子。
なぜか中高年の、しかも男性限定でよく見る帽子だ。
(写真は http://hellotalalay.blogspot.com/2012/04/top-topi.htmlより)


形はファストフードの店員の紙帽子のようだが(笑)、どうやらネパールでは正装にあたるそう。
色も柄も、本当にバリエーション豊か。
ネパールでは、ファッションとは自己主張のひとつなのだろうなと感じた。

10-4. 高齢女性

若者がおしゃれに敏感なのは当然のこととして、
高齢者、特に女性が非常におしゃれであることに驚いた。
特別な日でなくても、普段からまるで正装のような鮮やかな色の美しい布地を身にまとってる。
特に歩いて移動している人々は、車から、または夜道でも目立つようになのか、真っ赤な衣装の方が多かった。
基本的に家の敷地内で終日過ごすような高齢者であっても、来客があるのかと思うほど美しい布地。
異なる色を何種類か身に着けていることもあるが、そのバランスも絶妙。
黄色と青、緑とピンクなど、ちょっと難易度の高そうな組み合わせ、かつ柄が異なっていても、しっくりとマッチしているから不思議だ。
女性の場合、柄は大きめの花柄をベースにしたものがほとんどで、アニマル柄やチェック、キャラクタープリントなどは見かけなかった。
高齢女性に限り、防寒のためか、腰の周りに白い布を何重にも巻くスタイルが多く見られた。

女性は年齢に関わらず、腰のあたりまである黒髪の長髪。
おだんごにまとめるスタイルの人が多い。
ショートヘアは一度たりとも見かけなかった。
私がベリーショートなのに気づくと、一様に憐れむような反応で「なんで切ったの?」と聞かれる。
「野良仕事で邪魔だから」と答えるが、聞いてくる人々もたいてい野良仕事をしているので、説得力がなかった(笑)。

10-5. 若い男性

ネパールの若者は、女性以上に男性がおしゃれな印象を受けた。
各人、とても個性的。
特に髪型はバリエーションが豊富で、独創的なカットスタイルの人も多々見かけた(農村でも)。
白や青やなど、とても変わった色に染めている人もいた。

ボトムズは、細身のパンツを腰履きスタイルが多かった。
建設作業員でもこのスタイルで、かがむたびに尻の割れ目が見えたりしていた(笑)。

大判のストールで、目の下から肩まで広く覆う人もちらほら。
腰履きパンツに、ピアスにモヒカン。。など、ひとつひとつは微妙にヤンキーっぽいスタイルなのに、すらっとした体形と、穏やかで品のある物腰や表情に中和され、嫌な感じはしない。
スタイルにこだわる人が多いのは確かなようで、ガラスの前で髪を整える人や、セルフィーを撮る人などもよく見かけた。

10-6. ベビー服

農村でも市街地でも赤ちゃんを見かけたが、高確率で「着ぐるみ」を着ていたのが印象的だ。
熊やリスなど、とてつもなく愛らしい。
冬ということもあり、手袋や靴下を身に着けていることも多かったが、いずれも生地・色・デザインともにとてもポップで可愛かった。

10-7. 温度調節の不思議

ネパールの1月は、最低・最高気温の差が大きい。
朝は霜が降りるほど。昼間は汗ばむくらいだ。
とはいえ、人々は最低気温に合わせた服装で、昼間になってもダウンジャケットを着たまま。
温度に合わせて脱いだり着たりする人を見かけることはほとんどなかった。

さらに面白いなと思ったのは、ダウンジャケットを着ていても、足元は素足にビーチサンダルの人が多いことだ。
クロックス(偽物だと思うが)も流行っているようで、多く見かけた。
砂ぼこりで汚れる前提で、すぐに洗えるように、ということなのかもしれない。

足元の話でいうと、
砂ぼこりで汚れるにも関わらず、女性はサリーのような布をまとった人が多く、かつ足元は引きずるくらいの長さだった。
足首を見せるのは失礼(下品)という文化らしい。
一度民族衣装を着て、集落の女性たちと長距離を歩いたのだが、
歩きづらくて裾をたくしあげると、皆から「えっ」というような視線を浴びたのが印象的だった。

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