見出し画像

【井戸と電話口】


※長いし、かなり恐怖なので苦手な人は読まない方が無難です。 

先日、体調不良のスタッフから現場確認の依頼を受けて新築の一戸建てへ。そこは古くからの城下町でその辺り一帯、
古い家屋を解体すると床下からお祓いや息抜きを
全く施していない古井戸が出てきたり、GLを700㎜も掘れば
水が溢れてくる土地。

基礎工事をする際、とても大変だと聞いた覚えがある。
車を少し離れたコインパーキングに停めて現場へ。
現場の鍵を開けると、夏の現場あるあるだが、
玄関から建材から放出された匂いが漂う。
新築の現場の入室の際は、白綿の手袋と新品の白靴下を重ね履きする。

その時、どこからか水の音がかすかに聞こえてきた。
手洗いのような水流の様な細い音が響いて聞こえる。
こんにちは、誰かいますか? と声を声をかけたが当然誰もいない。気のせいかと言い聞かせながら、不明点があったのでスタッフに電話をした。

一通りの確認をして電話を切る際、今現場に誰かいるんですか?と。
女の子の笑い声が聞こえますよ。
あと…手洗いの様な水の音がしてます。
まだ引き渡し終わってないですけど、現場にお客さんが来ていますか?

カラダが固まって冷汗が流れ出して呼吸が乱れる。
ちょっと、待て。今、家を出るから少し黙ってろ。と、
あまりの恐怖に強い口調になってしまった。

何故なら玄関へ移動する際、
リビング→廊下→洗面所(奥に風呂)→玄関ホールの移動の途中、
チラ見した洗面所奥に設置されている、ユニットバスの折れ戸の
スリガラスに、ハッキリと見えた身長130センチくらいの、
こちらを向いて立ちすくむ幼女の影。洋服は黒色のワンピース、
髪の毛はセミロング。肌色の顔は見えるが、表情は分からない。
そこまでハッキリと見えた。

あれ?なぜ閉まっている? 折れ戸は初めから開いていた。
俺は触ってないない…。何よりも、その手前の洗面所の引き戸は閉めた。夏場だからトラップ切れの際、匂いが屋内に蔓延しないようにと、
自らの手で閉めた。だから洗面所内部が見えるはずがない。

落ち着け、落ち着けと自分に言い聞かせて、
工事キーで玄関を施錠をしてキーボックスにしまった。
スタッフが電話で大丈夫ですか??と連発している。
大丈夫、大丈夫だ。あとでかけ直すと言って電話を切った。

車に乗り込み、エンジンをかけてシートにもたれていると
突然、窓をノックされビックリして飛び起きた。
あまりの動揺ぶりに、どうしました?大丈夫ですか?と、
警察官が二人、不審そうにこちらをのぞき込んでいる。

ドアを開けてどうかしました?と話し返すと、
白い手袋をしたままだった事に気が付いた。
なぜ手袋をしているのです?と警官の第一声。
彼らは、僕が駐車場に歩いていく姿を見かけて職質をしたという。
資料を見せて、現場の確認で‥と伝えると念のため、
車の中見せてもらっていいですか?と。

僕のBMWは車検証ガソリンカード、サングラス以外に何も載っていない。
ティッシュすらない。持参していたカバンの中身もリヤラゲージに広げた。ありがとうございます。車内、とても綺麗にされてますね~と
恐縮がっていたので、現場での一連の流れを話すと、
大して驚きもせず、上司らしいベテランの警官が話してくれた。

私は昔からこのすぐ隣の市境に住んでいまして、
自分が小学生の頃だったかな…
この辺りで私より2つ下の子どもが古井戸に落ちて亡くなっています。
この辺りじゃ昔よくあったんですよ。
水死ではなくて、頚椎骨折で即死が多くて…声すら出ないので、
見つけるのにはそこそこ時間がかかっていたようです。

やれやれ…。そういう事か…。

少し話をして警官が去った後、駐車料金を精算し車に乗り込んだ。
その瞬間凄まじい違和感。

スミマセン‥‥ナゼシートガ  コンナニ ヌレテイルノデスカ・・・・・

帰り道、地元の御嶽神社に寄ってお祈りをしてきた。
実際今自分に憑いているのか分からないが、
久しぶりに霊に纏わりつけられた1日だった。

お盆も近いから…帰ってきてるのかな…
お盆の最中は絶対に水辺に近づかないように気を付けましょう。

良い霊も悪い霊も混在してますから。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?