#小説
いくつもの生、愛、痛、死を乗り越え、 私たちは「人生の冬」を迎える「冬の日誌(ポール・オースター著)」
TEXT by MOMOKA YAMAGUCHI
ポール・オースター(著)/ 柴田元幸(訳)
「冬の日誌」あらすじ
繊細な言葉たちによって綴られる「呼吸の現象学」
アメリカ文学を代表する作家の6歳から64歳までの人生を「現在のポール」の視点から振り返る本。本人が「呼吸の現象学」というとおり五感から得られたデータと当時の感情を彼の繊細な言葉たちがリンクさせることで、私たちは彼の人生を「読む」のでは
「猫を抱いて象と泳ぐ」から見る言葉のあり方
TEXT by freepaperSTAR* editorial department
小川洋子(著)「猫を抱いて象と泳ぐ」あらすじ
口を閉ざした状態で生まれた少年は、生まれて間もなく脛の皮膚を口に移植され、口を付けられる。しかし、脛の皮膚は年を重ねるにつれて毛が生え、それがきっかけでいじめを受けた少年は口にコンプレックスを持つようになり、寡黙になった。
ある日少年は、廃バスの中で大柄な男「