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スタートアップ退職の有休消化中、長野県東御市の「わざわざ」に行ってきた。きっかけと風景の話。

「パンと日用品の店 わざわざ」。
パンが好きなので、前々から名前は知っており、
Google MAPのお気に入りのピンを立てて、早幾年。
車の運転ができない私にはおいそれと行ける場所ではなく、
名前だけ記憶の片隅にあるまま、数年が経っていた。

しかし、ついに、世の中がお盆休みの2日目、満を持して赴く日がやってきた。

きっかけは、代表の平田はる香さんが書かれた本を読んだことである。

『山の上のパン屋に人が集まるわけ』。
手に取ったのは、どこかの独立系書店だった記憶だが、
最近は紀伊國屋書店や蔦屋書店など大型のところでも平積みされているのをよく見かけるので、きっと注目されているのだろう。

気になったのは「主婦がはじめて、年商3億」というパワーワード。
自分の会社が年商3億になるのは結構大変だった記憶なので、
この「ひとりで」「主婦が」というのがすごいなと単純に思ったし、
山の上のパン屋に人が集まるわけを、純粋に知りたかった。

最近、独立系書店や、個人で小規模ビジネスをされている人が気になっている。
50歳くらいで雇われ従業員はやめて、何か自分ではじめるのもいいのかも、とうっすら思っていることもあるかもしれない。
それもいま読んだ方がいいのでは、という背中を押された理由のひとつである。

本から受けた、平田代表の印象は、
- ストイック
- 真面目
- 人が苦手といいながら、人が集まることがすき、という不思議な人
というあたりだ。

コミュニケーションが億劫そうな点は自分と共通するところがあるなと思いつつも、このハマったらとことんなところや自分1人で切り開く行動力は、大きく違う点(そして羨ましいところ)だなと思った。
私は、多動性、集中力なし、根気なし、が周囲の評価だし、パンづくりもきっと1日で飽きてしまうだろう。

この本を読んで、実際にどんな店舗なのか、どんなところなのか、見てみたくなった。
ことしの夏休みのおでかけはこれだ、と自然と思えた。
幸い、有休消化中。
疲れ切っても、取り戻す時間はたくさんある。

東京からバイクの後部座席に揺られて4時間、時折帰省の渋滞に見舞われながらも、
たどり着いた東御市は、それはそれは素晴らしいところだった。

高い山はあるがそれは遠景で、近くは平地といっていいほど、遠くまで見渡すことができる。
高い木々が視界を遮ることはなく、低木や草木や田畑が遠くまで目を伸ばさせてくれる。
浅間山連山はゆったりとしていて、裾野の広がりがきれい。
信号はなく、横断歩道もなく、一本道がただただ街の中に伸びていて、
すれ違う車もすくなく、穏やかそのもの。
今が観光シーズンのお盆であることを忘れるような、「これが純粋な夏」という空気が広がっていて、田園風景とはまさにこのことかと感じた。
(帰宅後に本を見返したら、平田さんがこの土地を気に入った理由も同じような表現で書かれていた)

「わざわざくる意味をつくりたい」というコンセプトだが、お店に興味を持たなければ出会えなかった風景だった。
平田さん、大成功していますよ。

住みたい、と思ったし、こういうところで過ごせたら自分の仕事への向き合い方や何かが変わるんだろうか、と考えたりもした。
帰ってきてから、移住系の本を手に取ったのは自然流れだろうと思う。


お店のことや、ほかの2店舗についてはまた次のときに書くことにする。

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