幸福日和 #045「見えない関わりを思い浮かべる」
日常で使っているもの。
そうしたものが、
どれだけの人の手によって作られて、
自分の手元に届けられたのか、
思い巡らせてみる。
例えば、
目の前に一つのものを置いてください。
そして、
それがどれだけ多くの人が
関わってきたかを考えてみる。
そこに何人もの人が関わってきたか、
数えてみてください。
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例えば一冊の本。
本は著者だけのものではありません。
もちろん、著者の大切な作品ではありますが、
その後ろ側には、たくさんの人たちの働きがあるんですね。
著者が原稿を書きあげるための
ペンや便箋を作っている職人、
タイプライターを設計したエンジニア。
原稿の文章をチェックして
その方向性を修正する出版社の編集者もいれば
文字の間違いをチェックする校閲者もいます。
本を形にするために文章をデータとして
文字起こしをする人もいれば、
そのデータをレイアウトするDTPデザイナーや、
本の見た目を考える装丁家。
本の品質を守ってくれる検品係の人や、
お店まで運んでくれる運送業者、
そして書店で本を販売する販売員までいます。
細かくあげたら本当にきりがないけれど、
信じられないくらいに
多くの人の関わりの中で
一つのものが形になっています。
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忙しい毎日の中では、
正直、人のことを考えている余裕なんてありません。
でもそんな時にこそ、
立ち止まってみる時間も必要です。
いろいろな関係の中に、
自分はいるのだと。
自分勝手なことを口にしてしまってはいないだろうか、
利己的な行動をとっていないだろうか。
そんな時にこそ、そうして
なにか一つのものを手にとってみてください。
そして、その先につながっている人々を思い浮かべてみる。
僕たちは一人で生きているようで、
実は一人なんかでは生きられない。
自分なんて、
なんてちっぽけな存在だったんだ。
もっと周りのことを考えて毎日を送るべきだ。
そんな大切なことを
思い出せるかもしれません。
最後までお読みいただきありがとうございます。毎日時間を積み重ねながら、この場所から多くの人の毎日に影響を与えるものを発信できたらと。みなさんの良き日々を願って。