幸福日和 #068「夢を記録する」
あの「夢」は何を意味していたのだろう。
昔から、朝目覚めると、昨晩見た夢が気になって仕方なかったんです。
未来を描いていく夢も好きだけれど、
眠りの中に立ち現れる夢にも魅了されてきました。
皆さんは、普段どのような夢を見ますか?
何気ないことかもしれませんが、夢の断片を記録してみてください。
そこにはいつも何かのヒントが潜んでいて、
後の自分に役立つことがあるかもしれません。
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数年前のお話です。
ある時、いつものように、
オフィスの一室で定例会議をしていたんです。
当時企画の仕事をしていた僕は、打ち合わせに追われる日々を過ごしていました。数々のプロジェクトを同時に進行させていきながら、互いの仕事の進捗状況や、アイデアがあれば共有していたんですね。
「何かいいアイデアでも降りてこないかな、、、」
「よく夢とかですごいアイデア生まれるって聞くし、、」
「、、、、そういえば最近夢見てないよな」
「誰か最近、、面白い夢みた?」
「夢」。
ふとそんな話題になったんですね。
今思うとアイデアを出すのに、夢に頼っていたなんて、、、、と呆れてしまいますが、当時は夢にでもすがりたい思いだったのかもしれません。
そういえば、最近見た夢はいつだっただろう、、、。
一日たてば、過去の記憶など新しいものに書き換えられてしまう。
夢の記憶なんて思い留める隙間もないくらいの日々を過ごしていました。
淡々と機械的に流れる日々の中、
高層ビルのガラス張りの無機質な会議室で、
無表情なメンバーの集いからでた「夢」という言葉。
その状況と言葉の違和感が今でも印象深く、
この孤島にいる今でもよく思い出すんです。
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日本にいた頃に見た夢で、
今でも思い出せる夢といえば、、、、
当時住んでいた、
マンションの玄関に知らない女性が突っ立って放心状態になっているという、なんとも不可解な夢を見たきりです。笑
でも、よくよく考えてみれば、それは夢ではなく現実だったのかもしれなくて、実際に上の階に住んでいた女性が、部屋を間違えて酔っ払いながら玄関に倒れていたことが幾度かあったのでした。
どうでもよく曖昧な、現実のような、夢のような、、、。
夢の中を生きてるのか?
現実を夢のように眺めているのか?
ふと、
あの俳人・松尾芭蕉さんを思いだしました。
彼が、奥州藤原氏が栄華を誇った平泉を訪ねた時、
「夏草や兵どもが夢の跡」とその栄華の儚さと
「夢のように脆い人生」を歌ったけれど、
現代人である僕もまた、忙しない日々に追われる中で、
夢か現実かもわからないほどのところで
生きていたのかもしれません。笑
僕にとって夢とは、
ぼんやりとはしているけれど、
なんとなくのままにしておけない。
そんな不思議なものなんですね。
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また、その時にどうでもいいような夢が、後に自分にとって大きなヒントや助言になったという経験もしてきたんです。
社会人だったころ、どうしても良い企画が思いつかず、
会社を抜け出しては、仕事もせずにインターネットカフェで
漫画やらネットばかりを見ていた時がありました。
まだ世間ではネットがそこまで普及しておらず、スマホすらなかった時代です。当時の僕にとって、本屋さんやインターネットカフェは貴重な情報収集源。何か新しいものを取り入れねばと、ネットで掲示板(死語?)を読んだり、普段読むことのない少女漫画から熱血スポーツ系の漫画まで。色々な情報を詰め込んでは、なにかいいアイデアが湧いてこないかともがいていたんですね。(そんな日々が懐かしい、、、。苦)
そんな怠慢(?)な生活を続けていたある時のこと。
ある夜に、頭の中でなにやら怪しげな世界が夢として現れてきたんです。
仕事で悩んでいた課題や、漫画のワンシーン、キャラクターのセリフ。そうした蓄積されてきた情報がごちゃ混ぜになって不思議な世界をつくっていた。なにがどう繋がったのか、その過程までは覚えていないけれど、そうしたあらゆる情報が複雑にリンクして自分でも想像できないイメージが出来上がった。
実は、その時の夢がヒントになって、当時のクライアントだった某学生服メーカーの企画に活きたなんてことがありました。
夢が僕を助けてくれたことは、それだけではなく、
事業を始めた時も、別の夢がきっかけになったんです。
当時、僕は会社員として組織の中で働きながら、日夜仕事に明け暮れていましたが、そんなある時も不思議な夢を見たんですね。
断片的な記憶だけれども、夢の中で僕は現実生活とは違う清潔感のあるオフィスで、全く新しい形態のビジネスをしていた。
なにやらパソコンに向かって、その中だけで全ての仕事が完結しているようで、それがどんな仕事かまでは見えなかったけれど、今まで自分が経験したことのない全く新しいことに取り組んでいるように見えた。
当時の僕は衰退していく斜陽産業の案件ばかりしていましたから、心のどこかでそんな状況に危機感を募らせていたのかもしれません。
そんな不思議な夢によって未来を示された気がして、現実の僕はそうしたことが一つのきっかけにもなって、それまでのフィールドを去り、新しいビジネスに向き合っていくことを決めるのでした。
今振り返ってみると、そうやって色々な夢によって自分は何かのきっかけをつかみ続けてきたんです。
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そうした思いもあるので、習慣として今まで見てきた夢はできるだけノートに記録するようにしてるんです。
かすかな夢でも、視覚的に覚えているものはスケッチで残し、言葉でしか表現できないものは言葉でメモをしておく。
今は役に立たないかもしれないけれど、いつかは役にたつかもしれない。
そういう思いで記録をし続けてきました。
面白いことに、
過去の夢の記録が、現実とシンクロすることがあるんです。
今叶えたいと思っていることが、実は既に数年前の夢の中に現れていたり。忘れてはいけないことが、夢の中で定期的に蘇っていることに気がつくんですね。
先日、久しぶりに過去の「夢日記」を眺めていたら、
数年前の夢の記録の中に「孤島生活」のことも描かれていた。笑
僕の中では、やはり夢は現実であり、
現実も夢のようなものなのかもしれません。
そこで気になるのが、
最近見たばかりの、未だによくわからない夢。
今の僕には、それが何を意味しているのかはわかりません。
これが数年後の未来を意味しているのか。
ただの儚き記憶の断片なのか。
数年後にわかる時がくるのかもしれませんね。
皆さんは、どのような夢をみていますか?
そこには自分にとって大切な何かが
隠れているかもしれませんよ。
最後までお読みいただきありがとうございます。毎日時間を積み重ねながら、この場所から多くの人の毎日に影響を与えるものを発信できたらと。みなさんの良き日々を願って。