「自由」をテーマにしたイベントで、ユーザーさんが起業を決意するに至った「不自由」な原体験について聞いてみた
こんにちは。CCO(Chief Culture Officer)のつじもです。
先日、freeeで「大自由博〜ブランドコアを感じつくす博覧会〜」という社内イベントが開催されました。イベントの背景などは主催者のtetsuさんの以下の記事をご参照ください。
この記事は、イベント内でわたしがfreeeユーザーである起業家の方々に、「あなたを起業に至らせた不自由とは何でしたか?」というテーマでお話を聞いたラジオ企画について、その企画の背景などを含めて語っているものです。
どういう企画か
一言でいうと、freeeユーザーである起業家の方々に「起業/開業のきっかけ」をきくラジオ企画でした。
事業を始めるきっかけは人によって様々で、自分の「好き」を仕事にする方もいれば事業承継が契機となることもあると思いますが、この企画では、社会の中で感じた不自由を解決する手段として起業を選択した方にお話を伺うことにしました。
当初はイベントの当日に対談するような案もありましたが、映像を伴わず、リアルタイム性を問わない「ラジオ」という形式の方が、作業しながら聞くこともでき、のちのちに残り広く知ってもらうことに繋がるのではないかと考え、この形式を選択しました。
どうしてこの企画をやろうと思ったか
わたしはCCO(Chief Culture Officer)として、普段はfreeeの組織・カルチャーづくりに関わっています。主なターゲットはfreeeで働くメンバーたちであって、freeeのプロダクトのユーザーさんと直接触れる機会はあまりありません。そのCCOが、なぜこのテーマで企画を行ったか?
それは、今わたしが追っているミッションに関わっています。
わたしは今CCOとして、現在はまずfreeeの組織の中にあるジェンダー間ギャップの解消をテーマに取り組んでいます。
Chief Culture Officerとは、freeeのカルチャーに関わることすべて、つまり、ほぼ「組織の中で起こるあらゆること」を対象にする役割ですが、その中でも、現在は、freeers(freeeで働くメンバーの総称)が自身の属性を意識する必要のない環境を作っていくことを重要視しています。属性とは、年齢や言語、身体的・精神的特性なども含み、ジェンダーもそのひとつでしかありません。すべての人が生き生きと自分らしく活躍するためには、ひとつひとつ、属性にまつわるギャップを自覚し、それを埋めていくための取り組みが必要だと考えています。
(オープンでフラットなイメージの強いfreeeにも、ギャップが存在すのか?と思われた方、ありがとうございます。たしかにfreeeは先進的で自由なカルチャーを持つとても素晴らしい、誇るべき組織です。ただそんなfreeeでも、やはり社会と地続きの存在として、解決の余地のあるギャップはあります。これはどんな組織でも永遠になくなることはないと思いますが、それでも前進に向けて何か取り組み続けることに価値があると考えています。)
社会と地続きの存在として、freeeの組織内にあるギャップは、社会から持ち込まれたギャップでもあるが、同時に、組織内でその解決に向かって取り組んでいくことが、社会に還元されて社会を進化させていくことにもつながるのではないか。
そんな想いで、今回は、ふだんのミッションとは一見遠く見えるかもしれないけれど、「社会の中で感じた不自由を解決する手段として起業を選択した方々」のお話を伺ってみることにしました。
お話を伺った方たち
幸い、話を聞かせてくれないかと相談した方々が、みなさん快く応じてくれて、話を聞けることになりました。伺ったお話のごく一部になりますが、ここで紹介します。
La neige 竹内香織さん
乳がん経験者のための"おしゃれな下着"をオンラインで販売されているLa neigeの竹内さん。"おしゃれな下着"とは、手術後すぐのケアブラジャーではなく、乳がん治療を頑張った方々がその後の人生を美しく生きていくための下着を指します。
ご自身の乳がん罹患時に、手術することを受け入れていたつもりだったが、手術後のブラジャーのカタログに掲載されていた下着(わたしも検索してみましたが、デザイン性は乏しいものでした)を目にしたときに湧き上がってきた悔しさ。その10年後に親友が罹患し、さすがに状況が変わっているかと思ったら10年経っても何も変わっていなかったことから一念発起して、未経験から事業を立ち上げていったストーリーを話してくださいました。
株式会社IRIS 須藤啓光さん
LGBTsフレンドリーな不動産事業(LGBTsとは:LGBTだけでなく、障がい者、高齢者、起業家など他のマイノリティ性を持った人も含む)を営むIRISの須藤さん。
ご自身が同性愛者の当事者として、パートナーと共に住む家を探す中で、なかなか選択肢が見つからない中で、やっと見つかった部屋で礼金を上乗せする条件で借りることができたときに、なぜ同性愛者の当事者であるということがその条件面での差につながるのか?と感じたことをきっかけに起業されました。
そこから数年立って今はどう感じているか?と聞いたときに、「まだまだ問題や課題は山積みだけど、それでも社会は前進している」という言葉が印象的でした。
株式会社JobRainbow 星賢人さん
多様なバックグラウンドをもった人材、特にLGBT、外国籍、障がい者等のための採用プラットフォーム運営、企業向け教育事業等を運営されているJobRainbowの星さん。以前freeeが受賞した「D&Iアワード」も運営されています。
ご自身も同性愛者の当事者として、大学時代に性的マイノリティのサークルの運営に関わっていた星さん。そこで出会った先輩たちが性的マイノリティであることを理由に就職活動で苦労するのを見て、自立して生きていくための手段(仕事)をするための切符すら受け取れない不条理を感じて、起業されました。
冒頭の言葉は、起業した頃に、営業先の企業から「うちにはそういう人はいませんから」と断られたのち、数年経って改めて連絡を受けたというエピソードを話してくれたときに出てきました。
株式会社KAMALABO 吉田真奈美さん
障害のある就学児向けのロボット製作やプログラミングを用いた放課後等デイサービス事業を営むKAMALABOの吉田さん。
もともと、吉田さんがフリーランスでプログラミング教室をしていたところから、放デイの教室を立ち上げられて、今は並行運営されているとのこと。
ご自身のお子さんの成長に伴い、友達や親友を作ることのできる環境を整えてあげたいとの想いから、放課後等デイサービス事業を始められた吉田さん。時間がない、24時間では足りない!と言いながらも、事業に関わるメンバーと一緒に毎日楽しく過ごせている、と明るく笑っていらっしゃったのが印象的でした。
コンテンツはそろった!当日の様子は…?
コンテンツは事前収録、かつ、社内SNSで録音が聴けるURLを共有して、各自が好きなタイミングで自分のPCやスマートフォン等の端末から聴ける形で実施しました。
ただそれだけだと、せっかくのお祭り感がない!
ということで、昔なつかしのガチャポン(ふだんは社内の駄菓子屋さん風会議室に常設されているもの)をお借りして、社内で色んな人にメダルを配りつつ、ガチャポンを回してもらう形式に。(出てきたガチャポンのカプセルには、ラジオ音声が聴けるURLのQRコードと、昔なつかしのキャンディが入っている仕様)
当日はこのガチャポンの近くで待機していたのですが、色んなfreeersが遊びにきて、ラジオを聴いてくれました。
企画を終えてみて
お話を伺いながら、それぞれの方の人生の重みを感じるような体験でした。(お一人お一人がとても大事にされていることを起点に起業されているので、軽いわけはありませんが)
社会の中で不自由を感じながら、その解決に取り組んで乗り越えようとした姿もさることながら、みなさんが、その後の状況を聞いたときに「前進している」という趣旨のことを口にされたのが印象的でした。
誰もが納得する正解はなくても、とにかく前進していこうとすること自体に価値を置いて、これからも本当の意味でスモールビジネスを世界の主役にしていくために取り組んでいきたいと思います。
おわりに
freeeは昨年設立10年を迎え、現在も引き続き仲間が増えています。
色んな人が加わってくれて、属性や考え方も色々ですが、一緒にミッション「スモールビジネスを、世界の主役に。」を目指す仲間として、これからも共に進んでいきたいと思っています。
freeeは現在様々なポジションにて仲間を募集していますので、興味をお持ちいただいた方は、ぜひ下記リンクをご覧ください。
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