【書評・要約】ZERO to ONE 君はゼロから何を生み出せるか
今回は『ゼロトゥワン 君はゼロから何を生み出せるか』(著 ピーター・ティール、ブレイク・マスターズ)を紹介したいと思います。
この本はPayPalでおなじみのピーターティールがスタンフォード大学で行った企業に関する授業の内容をまとめた本になっています。
結論を一言で
この本の結論は、「新しいものを生み出し、競争を避けて独占しろ」です。
独占禁止法の存在や競争社会になじみがある私たちは、競争は良い、独占は悪い、と何となく思いがちですがピーターティールはそうではないと言います。以下引用を交えて解説します。
競争と独占
ピーターティールは競争について、
と言い切っています。
理由を説明すると、まず完全競争下では市場が価格を決定します。そこに利益機会が生じると新規企業が参入し、供給が増えるため価格が下がります。価格が下がるので参入者の目論んでいた利益機会は消滅する、ということです。
簡単に言い換えれば、参入しやすいような似た感じのものを売る場合、最終的には価格競争になってしまうので参加者全員が疲弊する、ということです。
証券会社や銀行の手数料引き下げ、牛丼チェーンの値下げなどをイメージしてもらえればわかりやすいと思います。
完全競争の反対が独占です。独占企業はライバルがいないため自由に生産量と価格を調整できます。
独占企業はライバルがいないため金儲け以外のことを考える余裕があります。それは倫理観だったり長期的な未来への対策だったり様々です。
その具体例として、Google が導入していることで知られる「20%ルール」があります。これは、“自分の業務時間の20%までは、通常業務ではない仕事に使うことができる制度”です。 この20%ルールから、Gmail や AdSense などの革新的なサービスが生まれたとのことです。
また皆さんも経験があると思います。資格試験や受験などで、余裕がない場合はとにかく勉強しか頭にないですが、余裕があれば会場までの道のりや忘れ物のチェックなど、大事なその他の部分まで気を配れます。
でも独占って悪いことなんじゃないの?
確かに独占してる側の人にとっては良いことだ。でも外の人たちは?社会の犠牲の上に成り立ってるんじゃないの?と疑問を持つのは当然の流れです。
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